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2017-08

信貴山縁起絵巻展〜奈良国立博物館 - 2016.05.07 Sat

東大寺華厳茶会の後、そのまま奈良国立博物館にて開催中の「信貴山縁起絵巻展」へ。


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これは行きたかった、行かねばなるまい。いざ、遙か平安のコミック展へ!


さて、信貴山縁起絵巻は有名だが、その信貴山の寺の本来の名前が朝護孫子寺ということを実ははじめて知った!(今でも言いにくいのでよう覚えきらん、、、)

建立は聖徳太子までさかのぼる。太子が物部討伐に向かう途中、戦勝の祈願をするや、天空遥かに毘沙門天王が出現し、必勝の秘法を授け、勝利できたとする伝説。よって信貴山は毘沙門天を祀り、その使いである虎がシンボルとなっている。



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だから博物館の入り口で虎の張り子のお迎えを受けたとき、最初は???と思ったが、納得。


中に入ると入り口ホールの高い天井に、、おお!!俵が、、俵がいくつもとんでいた。よく見ると飛鉢もあった。国立博物館なのにけっこう遊んだディスプレー。


信貴山縁起絵巻を横歩きしながらじっくり見る。剥落もけっこうあるので見にくいところは上にある写真(実物より見やすい)で補いながら。

ストーリーは信貴山中興の命蓮を主人公とした霊験譚3つ。


*山崎長者の巻(飛倉の巻)

信貴山に住する命蓮は托鉢の代わりに鉢をとばして食べ物などもらっていたが、山崎の長者は鉢を米俵の倉の中にうっちゃってた。すると倉ごと空を飛んで信貴山までいってしまったので、長者は倉を返すよう頼む。命蓮曰わく倉は返せないが中の米俵はすべてお返ししよう。俵をひとつ鉢にのせると、あ〜ら不思議!その鉢のあとを追いかけるように倉の中の俵はすべて連なって空を飛んで長者の家へかえったとさ。


*延喜加持の巻

延喜の帝(醍醐天皇)が病にかかり、その治癒を祈る加持祈祷を(俵飛ばしで有名になった)命蓮に頼む。命蓮は山を下りずに信貴山で祈祷するという。もし帝が平癒したとして、それが命蓮の祈祷の成果だとどうしてわかるのか?という勅使の質問に、自分の加持祈祷が成就した暁には「剣の護法童子」を使わす、と。
そして帝の夢に、右手に宝剣を,左手に羂索を持ち、千本の宝剣を体に吊し,黄金の法輪を回転させて空を疾走する護法童子が現れ、帝の病は平癒したのであった。


*尼公(あまぎみ)の巻


修行に出て行ったきりの弟命蓮をさがして姉の尼公が信濃から奈良へでてくる。東大寺の大仏様の前で一夜祈り続けると夢に未申の方に紫の雲のたなびく山をたずねよ、というお告げが。
それが信貴山であり、姉弟は無事再会、そのままいっしょに信貴山で仏に仕えたそうな。



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登場人物の表情やしぐさが、これはもう平安のコミック!としかいいようがない、。これを現代に描かれたマンガ、といわれても違和感がないのがすごいのだ。1000年近く前なのにね。


たとえば倉や俵が飛んでびっくり、あわてふためく様子、倉においすがろうとするところ、命蓮に俵を一つだけ鉢にのせるといい、と言われ、いぶかしげながらもそれに従う男の表情。
騒ぎを見ようとする男のつま先立ちのポーズ。尼公が大仏様の前で一夜を明かす様子を表すのに、大仏殿の前のあちらこちらに半透明の尼公が複数描かれているところ。

平安時代の貴族の暮らしは源氏物語絵巻などでよく目にするが、庶民の暮らしというのは絵にもあまり残っていないので、ほとんど知らないままであったが、この絵巻にでてくるのはほとんどその庶民。乳をふくませたまま外に出てくる女や、褌?に衣をひっかけただけの男の子が飯碗?をもっているところ、店をいとなむ人やその台所で働く女、、など。

先日のNHKの特集では、この絵巻に使われた絵の具が非常に良質で高価な物であることから高貴な権力者が描かせたものと思われ、しかるに庶民の市井の暮らしにも通じていた人、、ということで描かせたのは後白河法皇ではないか?と言っていた。なるほどな。





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そして絵巻のハイライト、剣の護法童子!
これ好きやわ〜。(中学の美術の教科書で見た時以来よ)

絵の具成分の分析から忠実に描かれた当時のままを再現した模写では、童子のころがす法輪はきらきら金色に輝く。この異様ないでたちの童子の疾走感がたまらない。(あと頭頂部がちょっと気になる、、^_^; )
スピード感を表す、尾を引く雲?の表現はこれまた現代のコミックに通じる。

見ているとチャリンシャラン、と剣のふれあう音、法輪の回る音が聞こえてきそうだ。

日本のコミックは世界的にも人気だが、1000年も前にルーツがあったのだ!
これは感激。

これは行くべし!お見逃し無く!(〜5月22日まで)




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● COMMENT ●

宮本常一さん

絵巻物にご興味をお持ちでしたらこのような本はいかがですか。
絵巻物に見る日本庶民生活誌 (中公新書 (605))
面白いですよ。申し出にご存知かもしれませんが。

打ち間違えました。

おそれいります。
打ち間違えました。申し出→もうすでに

N様

ご紹介ありがとうございます。民俗学の学者さんなんですね。
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