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2017-04

遠州忌茶会2016〜孤篷庵 - 2016.05.18 Wed

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紫野大徳寺、境内のはずれのはずれに小堀遠州ゆかりの孤篷庵がある。



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毎年五月におこなわれる遠州忌茶会に三年ぶりに参席。3年前はとにかく憧れの忘筌(遠州を代表する書院茶室)でお茶をいただく、ということに興奮していたのを思い出すわ。



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朝一にいったのに大勢の方。遠州は茶道史上の巨人のひとりなので、お客さんは遠州流の方ばかりではありません。いろんな流派の方がおみえだったと思う。


まずは遠州流宗家(実は遠州流と一口にいってもいくつかの流派に別れていることを知ったのは最近なのだ)お家元による献茶とご住職による法要を本堂で。「父は家元」という映画ですっかり有名になったお家元。
お仏壇のところに遠州公の辞世、像、あとおそらく遠州の母上の像がかかる。

残念ながら後の方にすわったのでお点前はほとんど見えず。3年前にはばっちり拝見できたのでまあいいか。
ちなみに台子の手前は各流派あまり大きな違いはないのではないか、、と思う。




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まずは家元席・其心庵へ。
四畳半台目の小間で薄茶の呈茶席。

愛知県一宮市ふくやのわらび餅をつかった和菓子をいただく。中が緑の餡でおいしかった(*^_^*)

寄付の床には遠州の消息、其六(佐川田昌俊・遠州の茶道の弟子)宛。
今日は訪れる人もいなくて一人時鳥を友として時をすごし、茶を飲もうと思っていて、、、云々の内容。ネットも電話もTVもない時代、きっと時がゆっくり流れていたのだろうなあ。


本席の床がまた小さい小さい5cm四方の紙の中にペン字で書いたみたいに細い字で漢詩が書かれている。書いたのが孤篷庵の開祖でもあり、遠州も含めた寛永サロン華やかなりし頃の有名人、江月宗玩。

黄銅の花入れに入れてあったのは山法師と赤い撫子。これは今年還暦を迎えられる家元にちなんだもの。
釜がよかったなあ、大正から昭和の頃の釜師・根來実三の唐犬耳釜。西洋のポットみたいに両側に大きな取っ手がついているような感じ。
そうそう、遠州流では風炉の灰は湿し灰で枝炭は胡粉が塗ってなくて黒いのだった。

水指が初めて聞く「宇治田原焼」。先日宇治田原に茶摘みにいってきたばかりなので、あそこにも遠州の指導が入った窯があったとは驚き。一見高取になんとなく似ている。

遠州蔵帳にも載っている高麗茶碗は東高麗手または江戸高麗手とよばれるもので、利休所持の斗々屋と同じ手なんだそうだ。すごく渋い。極渋。

茶杓が寄付の消息の宛名であったところの其六が作った物であった。



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ついで山雲床(さんうんじょう)・四畳半台目の濃茶席。席主は東京の遠州流世話人の方らしい。この茶室の外には刀掛けもあった。現代では無用の長物だが、当時をしのばせる。

寄付の羽根と鐶の画賛は、孤篷庵が焼失した折り、その復興のため尽力した松平不昧公。この方も遠州に憧れたゆかりの方である。
お道具はなぜか益田鈍翁旧蔵のものが多かったな。火入れの灰が菱灰で苫屋型、炭がすみっこにちょこん、といれてあるのがおもしろかった。


古銅の曽呂利には見事な大山蓮華のつぼみ。(開花したものは茶室では使わない。くさいらしいのだ)
黒田家(孤篷庵を創建)伝来の高取肩衝茶入はきゃしゃで小ぶり。茶杓が遠州作のこれまた薄い薄い。よくここまで削った物だ。豪快さとか渋さとかよりあくまで「綺麗さび」。

茶碗はこちらも高麗斗々屋であったが、利休の箱書きがついておった!

お菓子は亀末廣の躑躅きんとん。



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お昼、祗園まつむろさんの点心をいただいてからいよいよ最後、憧れの忘筌、薄茶席。ここでのみお点前もついてくる。席主は名古屋の道具屋さんらしい。
この席はなんと釜師の大西清右衛門さんとか、徳禅寺の和尚さんとか、お名前は存じ上げないがどうやら遠州の研究をされている方?などがご同席、大寄せながら、なぜかとてももりあがった席で楽しかった。(言いたいことをいつもおっしゃる徳禅寺の立花和尚、ナイス!)

ここの唐金の風炉がとってもめずらしくてすてきだった。直径15cmかあるいはそれ以下くらいの穴しか開いていないので、極小の筒釜しかのせられないのだ。上から見ると鍵穴様。これは灰型つくるのさぞたいへんだったと思う。ちなみにこの極小釜は名越弥五郎(江戸名越家)の作で東陽坊。

水指がこれぞ遠州、高取、という典型的な半月。
茶器が雲州蔵帳にのっている盛阿弥の中棗。利休お抱えの塗師で天下一の名をほしいままにした人。真塗りで真っ黒。

茶碗が前田家伝来・彫三島(高麗)、益田鈍翁箱・祥瑞(唐物)、江存作・沓形黒織部(和物)。

織部の裏に「Q」みたいな窯印があって、これが江存のマークと教えてもらう。つるし柿みたいな絵がかかれたすてきな織部だった。


さすがに三個目の主菓子はあかんやろう、、、と思いながらも名古屋・両口屋是清さんの「袖乃香」というお菓子つるっと食べてしまった。誰が袖みたいなお菓子で、茶杓の銘「花橘」にかけたそうだ。(五月待つはなたちばなの香をかげば昔の人の袖の香ぞする、、、古今集)


席中では障子はしめてあったが、お点前がおわると後の障子をあけはなち、かの有名な忘筌の忘筌たる舟入板の間を楽しむ。もちろん遠州の字で露結と書かれた蹲居もお忘れ無く。
ちなみに露結耳とは兎のことで、「荘子」の「得魚而忘筌、得兎而忘蹄」から、忘筌の魚と対をなすものなのだよ。


かえりに孤篷庵ほぼお向かいの陶々舎で冷たい煎茶を縁側で一服よばれて帰る。

また楽しい一日、おつれくださったT様、ありがとう〜!




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