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2017-10

湖国の恵みに感謝する懐石〜早苗に鮎の茶事 - 2016.06.28 Tue

湖国の茶事によばれてきました。

いつもの茶席を待合に、いつもの六畳の待合を茶室に、というご亭主の初のこころみ。
その待合では、藁の背負子に掛けられたのは古い早苗植えの版画。このあたりでは今ごろ(6月末)が田植えのシーズンだそうです。半夏生までにすませないとね。


入席したとたん
「おお!!逆勝手!」 今回も御趣向が楽しそうです。



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緑豊かなお庭の景色。あいにくの雨でしたが、それによっていっそう緑が美しい。

ご挨拶の後は懐石。

こちらの茶事では、決して高価な食材でなく、土地のもの、旬の物でめずらしいものを手料理でだしてくださるので、毎回楽しみでしょうがないのです。




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向付からびっくりです。
普通お刺身系が出ることが多いのですが、これは山芋寒(山芋のすりおろしを寒天でかためたもの)、上にのるのはおかひじき。夏に、目にも涼しく口当たりのよい向付です。



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汁は合わせ味噌、中にすりおろしじゃがいもと白玉の餅。これも手間がかかっています。



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煮物椀のしんじょうの上に乗るのは冬瓜の薄切り、ミニ人参、インゲン、小さな花。



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強肴は、、、これはなにかしら?とわくわく。



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朴の葉に包まれた蒸し寿司でした。これもひとつひとつ手作りくださったのね。



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これが最初なんの魚か分からなくて。
脂がのっていておいしいし、川魚くさくないので、鱚?とか鯵?とかいろいろ説がでましたが、やっぱり琵琶湖の鮎だったのです!大きな鮎!そしてこれもご自分で一夜干しにされたもの。まあ、お酒がすすんで困ってしまうわ。

このあと、パリパリに焼いた鮎の骨までだしていただき大満足。


もう一つの強肴が酢味噌和えなんですが、野菜の他にもちもちした不思議な食感のものが入っていて、これもなんだろ?なんだろ?とみんな首をひねります。
正体は、、、滋賀県特産「丁字麩」。生麩でなし、かといって乾燥麩ともちがう、普茶料理に肉の代わりに使われそうな食材です。これを知っただけでもありがたい。(うちの懐石にも是非使いたいです。いつになるかわからんけど、、、)


八寸もなれ寿司のひとつ、鮠(はや)寿司。滋賀県と言えば鮒寿司はあまりに有名ですが、香りがきつくて苦手な人もいるので、ちょっとマイルドな鮠寿司に。うわさにたがわずブルーチーズの味でした(^_^;
それからバカウマだったのが豆腐羹。実ははじめて。醤油につけたチーズ、もしくはチーズの奈良漬けの味。こちらも酒がすすむこと。




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炭手前のあと、お菓子が出るはずが、え?また?焼鮎??

、、、、とみんなが首をまたまたひねってしまいましたが、、、、


じつはこれ、お菓子なんです。味は栗饅頭を思わせるもので目をつぶって食べたら全く問題ないのですが、このお姿を見ながら口に入れるとなんだか鮎の味でもするんじゃないかと、わかっていても、、、、


能登川の大幹堂さんの「焼鮎」という名物お菓子でした。

SNSに写真をアップしたところ、これ以上ない!というくらいの反響があって、それだけ話題をさらうお菓子をだされたことでもう、亭主の一人勝ち!でしょう。





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中立では、笹の枝に各自それぞれが願い事を短冊に書いて結びました。そういえばもうすぐ七夕ですね。



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後座の花入は、、、これも瓢なんですって!うまいこと舟に仕立ててあります。花は山でとってきたマタタビ。あの猫が狂喜するやつです。意識してマタタビの葉を見るのははじめて。ちいさな実もついていました。

濃茶、後炭、薄茶、、と逆勝手でさらさらとお点前されます。

この日の水指が、実は縁ある再会ものだったのです。全日根さんの安南写しの水指。以前、うちでデモで使わせてもらったものでした。とても存在感のあるもので好きでした。ご亭主が求められたのは知っていましたが、この日に再開できるとはなんとうれしい。

薄茶のお菓子はこれまたお手製の野菜の砂糖漬け。プチトマトの砂糖漬けがこんなにおいしいなんて。

茶杓がちょっと変わった姿だな、、、と思ったら、これもご自分で削られた物。まるで舟の櫂の形で銘を「早苗舟」。
田植えの季節に苗を入れて配る舟のことだそうです。
待合の早苗の版画にも呼応し、薄茶のお茶碗の田植えの絵にもつながるすてきな銘でした。




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旬の食材でおいしい懐石、気取らないけれど思い入れのあるお道具、そしていつも自然体で、ゆったりとあわてずさりげなく、亭主をされる姿はとてもすてきです。自分は亭主としてついつい知ったかぶりをしたり、自慢げにしたりしてしまうことがあって、後で反省しきりなのです。こんなふうに淡々とそれでいて心に残る茶事ができたらいいなあ。


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● COMMENT ●

大幹堂

な つ か し ~
完全に記憶の底に沈んでいました。
京都に越して初めて買いに行ったお菓子やさんは、洛中の菓舗ではなく、能登川の老舗でした。それも名物のやき鮎ではなしに、お干菓子のセットをば。
色の取り合わせがなんかその土地柄を表しているようでした。

Mariko Ishii 様

すでにご存知でしたか。
この焼き鮎、かなり長い間話題になりました。
たしかに京都の和菓子屋は作りそうもないお菓子ですね。
湖国ならでの銘菓!
、、、で、なんでたくさんある京都の和菓子屋さんに最初行かれなかったのでしょうね???


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