topimage

2017-05

鷹ヶ峰常照寺〜遺芳庵月釜 - 2016.07.06 Wed


  

  「都をば 花なき里となしにけり 吉野を死出の 山にうつして」


都の名花・吉野太夫(二代目)を関白近衛信尋と争い勝利した豪商・灰屋紹益(光悦の親戚筋)、彼女に先立たれたのを悲しんで歌った歌であります。

   


P7030028.jpg




本日はその吉野太夫ゆかりの鷹ヶ峰は常照寺へ。
この艶っぽい朱色の山門は吉野太夫が寄進したものなので吉野門と。

秋には紅葉の美しい鷹ヶ峰周辺ですが、今は緑が美しいです。



P7030031.jpg



この鷹ヶ峰一体は江戸初期に本阿弥光悦一門とその家職につながる集団、かつ法華経の信者集団をひきつれ移住した場所、このお寺も光悦一族のバックアップによるもの。

灰屋紹益は光悦の親戚筋だったので、必然的に法華経の信者であったわけです。




P7030032.jpg



太夫なきあと、妻をしのんで灰屋紹益が建てた茶室・遺芳庵。芳しい人の遺した想い出を凝縮した、、庵とでもいうのでしょうか。

毎月第一日曜日はここで月釜があります。(ちなみに4月だけは吉野太夫花供養で島原の太夫さんの献茶があります)

この日は裏千家の先生の席でした。
遺芳庵につらなる広間は天井がなく梁むき出しで、竹(葦だったか?)で葺いてあり、脇床の落掛に面白い形の木をつかったり、床框も一筋縄ではいかないような材を使っていて書院でもなく侘びでもないおもしろい構成でした。




P7030045.jpg



普通月釜はお薄一服か二服というところが多い中、この席は濃茶付き、おいしく練れていてうれしかったです。お菓子は大和郡山・菊屋さんの七夕の糸巻きのお菓子、複雑な色をふくんだ糸のような練り切りをぐるぐる巻いたようなとてもきれいなお菓子でした。

この写真は同じく菊屋さんの金魚の干菓子。



P7030033.jpg



裏千家の歴代家元ゆかりのお道具が多かったです。軸は圓能斎の「白適々」。
古い代の楽茶碗もでておりました。膳所焼の近江八景平水指割蓋も涼しげでよかった。



P7030034.jpg



この広間から出て隣接する吉野窓を有する遺芳庵では冷たい番茶をいただきます。ここはいつもは閉まっているので見たのは初めて。

立礼席のようです。

高台寺にもうひとつ遺芳庵があり、こちらも高台寺塔頭内に紹益が建ててのちに移築されたものですが、一畳台目向切逆勝手洞庫付きになっています。




P7030035.jpg



かの有名な吉野窓。

完璧な円相でないところがミソ。円相=悟りの境地に今一歩、、、ということらしい。




P7030036.jpg



竃の上にのる釜はここの常什釜で、神坂雪佳のデザイン、富岡鉄斎の筆になる文字が鋳込まれています。(後で知ったのでしっかり見てなかった(^_^; )




P7030037.jpg



いけられた花は山ホロシと蓼の1種。

こういう席で一服もいいなあ。




P7030038.jpg



その美しさだけでなく気性の美しさ、さらに諸芸に秀でたスーパーレディ・吉野太夫が亡くなったのはなんと38歳の若さ。花の盛りでこの世を去ったので、紹益の嘆きや想い出をいとおしむ気持ちはさぞや大きかったことでしょう。

ここには太夫の墓がありますが、紹益の墓は西陣・立本寺。死後二人を添わせたいという後世の人の気持ちで太夫の墓は立本寺にもあるそうですよ。
境内には他にも歌舞伎役者、先代の仁左衛門が建てた二人をしのぶ比翼塚もあるので、400年以上前のロマンスに思いをはせながら散策もいかがでしょう。



<おまけ>


あまりに美しいのでのせときます。
亀屋良長さんの七夕のお菓子。



IMG_2885_20160704234719c4f.jpg




IMG_2886.jpg
関連記事

● COMMENT ●

おおぅっ!美しいっ!

本当に美しいです。

地上から見上げる天の川ではなくて、衛星から見ている天の川越しの地球のような・・・。

素晴らしい技術ですね。
芸術ですね。

見せて頂いてありがとうございました。

いつもありがとうございます。

シラユキゲシ様

ほんまにこれはすばらしく手がかかってすばらしいお菓子ですよね。

中の緑色が地球、、、、ああ、それは思いつきませんでした。いわれるとなるほど〜!です。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/686-41c4ae56
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

漢検・漢字博物館・図書館 «  | BLOG TOP |  » 長刀鉾お稚児さん「太平の舞」披露

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (7)
茶の湯 (203)
茶事(亭主) (23)
茶事(客) (57)
京のグルメ&カフェ (49)
町家ウォッチング (7)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (47)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (30)
京都めぐり2017 (14)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (8)
美術館・博物館 (47)
奈良散歩 (16)
大阪散歩 (1)
着物 (6)
京の祭礼・伝統行事 (34)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (2)
京都和菓子の会 (3)
パリ紀行2014 (7)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
京都でお遊び (5)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
古筆 (1)
ノルウェー紀行2016 (4)
中国茶 (20)
ギャラリー (2)
暮らし (4)
京都の歴史・文化について勉強 (1)
過去ブログ終了について (1)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR