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2017-08

乞巧奠の茶事 - 2016.07.14 Thu

鯛と蛸がおいしい瀬戸内の町でのお茶事にお招きいただいた。

交通量の激しい国道沿いに?、、、と思ったら、そこはまさに市中の山居であったのだ。


待合で、梶の葉に墨で願い事でも歌でもお書きください、とのこと。ああ七夕の御趣向で、となんとなく思ったのだがそれが雅な乞巧奠お遊びのプロローグ。



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茶花をたくさん育てておられる庭のそばの腰掛け待合いには、氷柱の涼のお心遣い。下に敷いた蕗の葉も涼しげ。

本席にては、小ぶりの切掛風炉がかわいらしい。暑いときには風炉も釜も小ぶりな方がありがたい。

お軸が冷泉為村(江戸中期の冷泉家当主)の書になる壬生忠峯の夏の後朝(きぬぎぬ)の別れを歌った艶めいた歌。あとで気づいたのだけれど、王朝の七夕・乞巧奠の風習を今に伝えるのはその冷泉家でしたね。
一年に一度の逢瀬のあとの織姫彦星の名残を惜しむ気持ちともとれる。


ご亭主は五色の糸の帯締めで。(五色の糸は、五色の短冊に変化する前の七夕飾り)



懐石はお嬢様のお弟子さん(男性)が前日から泊まり込みで仕込んだそうで、2種出たお酒も厳選されたそうだ。
いずれもおいしく頂戴したが、トウモロコシごはんが絶品で、思わずレシピをお聞きした。ここの土地の海産物も豊富にいただいた。

向付のガラスのコンポートが、焼き魚や強肴ものせられるという厚手のもので、これはすてき。入手された経緯もおもしろかった。
杯や煮物椀などの漆器が時代の美しい物で、聞けば御所南の(私もたまに行く)うるわし屋さんでゲットされたとか!これは京都に帰って私もうるわし屋さんに走らねば、、、と思った次第(^_^;



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器でもう一つすてきだったのが小吸物。
なんてかわいい!!ベビー梶の葉の蓋!

ついつい葉っぱを懐紙の間にはさんで押し葉にした。


そして(◎-◎;)!!とビックリしたビール寒!ショットグラスにビールの絹泡までしっかり寒天で固まっている箸休め。これはテクニカルにむつかしそうだ。

お酒もたっぷりいただいてのち、お炭はお嬢様が。小さい風炉なので灰型がさぞたいへんだったことと思う。切掛なので月形は切らないこと、、、と炭手前の復習をしつつ拝見。蒔絵の香合も時代で織姫様にちなむ美しい物だった。

主菓子の銘が「積思」。織姫彦星の一年ぶりの逢瀬にはいったいどれだけたくさんの積もる思いがあったことだろう。


中立後の濃茶。

七夕、天の川を連想させる道具立て。濃茶もおいしく頂戴する。茶杓の銘も一年に一回のこの日にかける「一会」。

かつて天帝により会うことを禁じられた恋人同士が一年にいちどだけの逢瀬を重ねるようになってもう数千年がたつのに(たぶん^_^;)、お互いを恋する気持ちをいまだ失わないカップルにあっぱれ!


そして、、、、薄茶は場所を変えて。

大人が本気でお茶で遊んだら、こんなにすごいのか!!と驚愕の薄茶席。



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茶室の一方にこの七夕几帳!
五色の布に、梶の葉をさげる。これすべて手作り。



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そこに広がる王朝時代の乞巧奠の室礼。
山海の産物、五色の糸、楽器、秋の七草、、TVや冷泉家のパンフレットでしか見たことのない乞巧奠飾りがこの茶室に!

(ちなみに乞巧奠は、平安時代の宮中の七夕の行事から。庭に蓮を敷き、その上に山海の産物、梶の葉に五色の糸を通した七本の針を刺して供え、琴や香炉を飾ったなかで、詩歌管弦を楽しみ、その上達や、織女にちなむ裁縫の上達を願った祭)


P7110110.jpg
(冷泉家の乞巧奠・星の座  パンフレットより)



この力技に感激。
ここまで本気でやらないと人を感動させることはできないのだ、と思い知った。私もがんばらな。



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そして乞巧奠では角盥に水を張り、梶の葉を浮かべその水面に七夕の星をうつして楽しむのだが、今回最初に書いた梶の葉を角盥ならぬ耳盥にうかべると、、、

あら!不思議!
乾いて消えかかっていた文字が葉の上に浮かび上がってきた。



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あまりにみやびな王朝風の本気の遊びに、心は1000年の昔にとぶのであった。

そのうえ、干菓子が五色の糸を連想させる藤団子(名古屋・熱田神宮前きよめ餅総本家)だなんて、泣かせすぎやわ。



ほんまにありがとうございました。私も本気だそうっと!(えっと、、、今までも本気でしたがこの程度です(^◇^;) )





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● COMMENT ●

お楽しみ頂き、ありがとうございました♪

ブログ、楽しく拝見いたしました!
お喜び頂き、こちらも大層嬉しく思っております。
ただ懐石含め、何事も師匠のきめ細かい指導あってのことで、小生は言われるがまま動いただけでございますので、今後も師匠のもと、精進して参ります。
また機会があれば、色々とご教授賜りたくお願い申し上げます。

お弟子様!

読んでいただきコメントまでいただき恐縮です!
その節はありがとうございました。

最近若い人たちのおもしろい茶席にいろいろ刺激されていたのですが、おっとどっこい、大人が本気出せばこんなものよ!、、みたいなのを見せていただいたような気がします。全然およびませんがおとなのはしくれとして、私もがんばらねば、と思った次第。
お師匠様とともに、こちらこそよろしくお願いいたしますm(__)m


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