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2023-12

処暑の朝茶事 - 2016.08.24 Wed

処暑〜暑さおさまるころ、、、

、、、なあんてことは全然ないきびしい暑さが続く京都であるが、まだ朝のしのぎやすい時間の朝茶事にお招きいただいた。



P8230121.jpg



5時起き、7時席入り。さすがに9月が近いと日の出が少し遅くなった実感。このあたりは中央卸売市場近くなので、市場でのりまわす動力付きの台車がたくさん、公道をどうどうと走っている姿に目が覚める。
こういう景色が見られるのもこの時間帯だからだな。

朝にしか見られない風景、光、影の長さ、その移ろい、それが朝茶の醍醐味だろうか。

茶事の進行はこれも流儀によりかなりちがう。裏千家では正午や朝茶事は初座は掛け物、後座で花になるが、こちらの流儀では朝茶事の初座が花になる。流儀それぞれ理屈はどれも納得なのだが、どうしてこんなに表現系形が違うのかしら。

魚籠にいれられた花は薄紫の底紅ムクゲ。時間の経過とともにしぼんでいく朝の花なので、朝の早いうちに、ということか。

灰型も、こちらの流儀ではすべて白い藤灰。一見豆腐にみえてしかたない直方体の藤灰を固めたようなのを前方すみに置く(奥の方にも豆腐はあるらしい。)。
ちなみに裏千家では普通の乾いた灰を灰匙で型作り、初炭で月形を切り(この灰型はこの一会の為だけのものという意味らしい)後炭で月形を藤灰で埋める。遠州流では湿し灰を使う、、、ほんまに多様で他流の炭出前を拝見するのはとても興味深く、貴重な体験だ。


炭の後は手作り懐石。
ご亭主は若い男子なのだが、これだけできたらもうなんでもできるよね、のおいしい懐石を作らはる。アボカドの実入り赤出汁はとってもおいしかった。裏千家の小吸物はほとんど白湯にちかいのだが、こちらではしっかり出汁と塩味がついて、さすが武家流という感じ。実のトマトが意外性あってよかったわ。

朝っぱらながら、おささもいただいて良い気分♪

主菓子は、カットグラス金縁の蓋物にはいった黒蜜かけトコロテン。涼しげ。
うちの実家あたりではトコロテンといえば二杯酢だったので、最初関西で甘いトコロテンを口にしたときには衝撃だった。今はもうすっかしなじんだけれどね。



P7280044.jpg



後座。

軸は「壺中日月長」。

高麗井戸脇で濃茶をいただく。たっぷりとよき練り具合で美味しく頂戴した。
この飲み方にも流儀があって、こちらではそれぞれ茶碗の違う場所から飲まれるとか。ちなみに裏千家では茶碗の同じ所から飲み回すのだが、小茶巾という流儀独特の秘密兵器(?)があって、これで自分の飲み口を清めるのだ。(茶碗をいためず、ある意味衛生的)

茶碗はつくろいがたくさんあって、その銘も「瀧川」。(瀬を早み、、、)割れてもすゑに、、、なのね(百人一首・崇徳院)。


続き薄も流儀があるようだが、ここではご亭主がたくさんのよい茶碗をご披露かたがた使ってくださって、いろいろ目の保養ができた。出てきたときから、あ、あれいいな、と思う妙全さんの茶碗もあって、これでいただいたのだが、すでに嫁入り先が決まった茶碗であったのが残念。堅手のも渋渋でよかったなあ。

最後に香合の箱をみせていただく。これが本桑の木地で今時の女桑と違って手に重い。金漆の文字も重厚感あって、香合そのものは塗の漆が特殊、かつ江戸初期のさる有名茶人の花押つきであった!

茶事が果てても時間はまだ朝の10時台、まだまだ一日は長い。早起きは三文の得というけれど、一日時間を得した気もするが若干眠いのがなあ、、、、(^◇^;)

それにしてもこうしていろんな茶事にお招きいただけるとは、なんと幸せなことであろう。お茶をやっていてほんとうによかった、としみじみ思ったのである(^-^)





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