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2023-09

朝茶事合宿2016 - 2016.09.04 Sun

昨年の夏の朝茶事合宿はとてもとても濃い、濃いい〜〜おとろしい内容でありました。メンバーも濃い、、、いや(^_^; すごい方々で、数寄談義は深更1時までおよび、その上翌朝5時起きの朝茶事という身も心もふらふらでありました。

しかしながら、稔りの多さ、ご亭主御連客との距離が縮まるなど、合宿でこそ味わえる数寄体験忘れがたく、今年もお誘いいただき二つ返事で参加いたします。



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おりしも迷走台風が近くを通る最中、仕事を終えてかけつけた亀岡・楽々荘は大雨の中。

激しい雨の音を聞きながらの楽々荘・チンギアーレでの夕食会でありました。
(私はおくれて駆けつけたので、コースを一皿にもりあわせていただく)




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激しい雨に打たれよりいっそう緑を強めた夜の楽々荘の庭。

すでにお集まりの御連客とご亭主のあいだでは数寄談義がすでに盛り上がっています。
御連客は、昨年とはまったくメンバーがちがうのですが、そこはそれ、合宿してでも朝茶事をしたい、というご遠方から駆けつけたお茶狂い、、、おっと数寄人の方々、お話しははずみます。



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明日の朝が早いご亭主が引き上げられた後も、延々と数寄話は続き、大笑いの話題あり、勉強になる話題あり、一番盛り上がったのは某家の「奥歯」という銘のついた茶道具の話でしたねo(^▽^)o




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話はつきませんが、さすがに明日5時起き、そろそろおひらきに。今年も贅沢な造り室礼の楽々荘客室に泊めていただく。
昨年は信楽のバスタブにびっくりしましたが、今年のお部屋にはジャグジーが!!しかも広い。泳ぎはしませんでしたが、ふわふわ楽しいバスタイムですっかり疲れがふきとび、ただちに爆睡。



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なんとか5時に起きられて、ウソツキ襟だけつけた浴衣にお着替え。

外は台風一過、すっかり暑気がはらわれて、あたり一面くまなく水うちされたようなさわやかな朝でした。最高の朝茶事の舞台です。百日紅が美しい。




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さすがに8月も末になると日の出は遅くなり、太陽の光もややその力を弱めたようです。しっとりぬれた庭ではあちこちで虫の音がかまびすしいくらい。すっかり初秋の風情となりました。

洋館の待合には大綱和尚の豆腐画賛。「世の中は 豆で四角で やわらかで 豆腐のような 人になれ人」
今日の懐石は豆腐づくしか?




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腰掛け待合いのそばの石榴の木から落ちた(あるいは落とした)実、ひとつ。

本席は広間の八畳。
お軸は無学宗衍(七事式制定に一枚かんだ禅師)「幽篁訡涼味」。
篁になぞらえて茶室は葦戸に囲まれています。まだ日が上りきらず葦戸がつくる影は最初弱々しかったのですが、時がうつろうにつれてだんだん光と影がはっきりしてきて、亭主の座を照らします。

この光の変化は朝茶事なればこそ楽しめます。(だんだん暮れていく夕ざりもすてきですが)



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一枚○○万円するといううわさの讃岐円座。
しなやかで最高の座り心地。

釜は小ぶりの霰の車軸で鐶付きが貝、鐶は南鐐、さらに竹にからめて竹の形の火箸。香合もご亭主の大きな手の中でちんまりとかわいい小ぶりの夕顔でありました。



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前夜夕食時に富山の万惣さんがおられたので、今日の懐石は万惣さん、やった!!と思いました。でしゃばらず上品な懐石にはいつも感動させられます。
待合の豆腐にちなんで、汁は湯葉、ガラスの鉢に張った水にうかぶ亀岡産の豆腐、煮物も豆腐屋さんにつきもののがんもどき。
それから北陸でよく食されているという金時草、裏の葉脈が赤い、食感がまるでワカメ、というようなこちらでは珍しい物、これはくせになる。


向付がな、な、な〜んと、それぞれ違う意匠の古染付!!
私のは木の葉でした。一枚でも手に入らないのにこの贅沢さはなんでしょう。他にも木瓜、魚、ねじり梅、などなど。近々、ご亭主が古染付の勉強会をひらかれるので、その前振りなんだとか。それは勉強会も楽しみ楽しみ!古染、、、ええなあ、、、、:(´◦ω◦`):


八寸は昨年も感動したイナダ(鰤の幼魚)の干物、ほんまに酒盗なんやわ、これ。

お菓子は一見、四角く切った豆腐???、、、と思ったら真っ白な蓮根羹、しゃくしゃくとした食感がこれまたたまらない。もちろん万惣さん。



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中立のころにはすっかり朝になって、昨夜の雨がうそのように晴れ、光が明るい。

日がのぼるにつれてあれほどうるさかった虫の音がぴたりとやんで、時の移ろいを感じさせます。1週間前までは虫の音の後は蟬がとってかわってにぎやかだったそうですが、昨夜の嵐のせいかうつりかわる季節のせいか一声もきこえませんでした。


後座の花は、、、、薄紫のいま開いたばかりの朝顔一輪。
利休の逸話にもあれど、実際に朝顔を茶花として生けているのは見た記憶がない。朝茶しか使えないこともあるのだろうが、ほんまにほどよく花びらがほどけている。水屋を担当されたI先生がご自宅でご丹精された朝顔なのだそうです。

いれるタイミングで使えない場合もあると思うので、なかなかむつかしい朝顔をここまで美しく見せていただき感謝。花入は掛置籠。

濃茶は高麗茶碗にて。水指は南蛮モール抱桶水指、あらかじめ氷をいれて金属の表面に水滴を作ったのだそうで、そうかそういうテクニックがあったか。

棗型の茶入はもう、あのお方(;゜0゜)の花押つきで、それにのる茶杓はその三男坊の作という、普通美術館クラスのものでありました。ありがたやありがたや。




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続き薄の席では青楓の山にほとばしる滝のような筋が入った氷柱が据えられ、たくさん出していただいた茶碗は、ご亭主お気に入りの桃山の黒織部Σ( ̄。 ̄ノ)ノをはじめ魅力的なものばかりでした。昨年も出していただいた渋い猿投の山茶碗もよろしいなあ。


茶事が果ててもまだ朝10時、太陽がのぼってもこの日はさわやかで涼しい一日、今年も楽しいうれしい朝茶事合宿でありました。来年も再来年もその先も、またこんな朝茶事合宿に参加できますように、あつかましいですが、そう祈っておきます。






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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

朝から、浮世離れな想い

シンクロさせて頂きました^^;

茶会と云えば

秀吉を思い出す、ミーハーな私ですが

最近、近世の京都の都市計画

基盤造りに、興味あり、調べると

秀吉と云う、とんでもない男に、どうしてもたどり着きます^^;

高兄様

秀吉とか信長とか、大河ドラマのイメージでどこが偉い人やねん、、、って思ってしまいがちですが、彼らが戦国の世に成し遂げた施政、経済・産業のドラスティックな改革、、、はやはり天才や、と思わせますよね。(あんまり知らんけどな、たぶん)
高兄様がご興味をおもちなのは御土居とか、寺町を強引に移転させたこととかでしょうか?
いつかはまとまって勉強せねばあかんね。

しぇるさん、再び、こんにちは

>御土居とか、寺町を強引に移転させたこととかでしょうか?

諸々なんですが

太閤秀吉と云えば

大阪のイメージの方が強い方も、多いと存じますが

やはり、晩年は京都のイメージなんですよね

聚楽第から、京都新城の流れも

諸説あり、真意も興味深いですし

彼を揺り動かす、感性と云おうか、黄金茶室にも通ずる

あの感覚で、正に政の中心に居た訳ですから・・・むむむ

高兄様

なにかそれ関連のご本でも見つけられましたか?
またおもしろそうなの、お教え下さい。(^○^)


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