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2023-09

さらば宝塚の家 - 2016.09.14 Wed

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久しぶりの宝塚です。

宝塚から京都に移住してはやまる6年がたとうとしています。その間、約18年暮らした宝塚の家は、知り合いに貸していたのですが、とうとう売却することにしました。買い手ももう決まっているので、契約成立までに最後のお別れにいこうと思ったのです。




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まだ住んでいる当時の、リビングの適当な写真が見つからなかったので、なんとなく雰囲気のわかるものを。
初代「いつか・住もう・京都(1)」ブログを読んでくださっていた方はなんとなく見覚えがあるかもしれません。(ちなみにこのさげもんはお雛様特別バージョンでいつもこんなのを吊っていたわけではありません)




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ほぼ6年ぶりに中へ入りました。家具などはそのままにしておく、という約束だったのでお貸ししていた方はそのままつかってくださいました。

無住になって半年ですが、すでにほこりの匂いと空家独特の空虚感。家は住み手を失うと命を失うといいますが、まさにそれ。




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このソファは猫たちのお気に入りでした。(3匹目は今は娘のところにいるフレさん)

そしてここに住んでいた頃は、ほとんど職場と家の往復だけの超忙しかった私のくつろぎの場所でもありました。職場でつらいことやいやなことがあった時でも、家に帰ってこのソファにすわるとひとときそれを忘れてくつろげたのです。



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思えば約18年、連続で暮らした中では一番長い家になります。それまで結婚してから5回以上引っ越ししていましたから。

子どもたちが小学校を卒業したのもこの家、猫たちがやってきたのもこの家、子どもたちが大学へ入学するために家を離れたのもここでした。


家具がないがらんどうの家でも、その場に身をおくと、いろんな想い出が次々とわきでるように思い出されます。
二階の子供部屋のドアをあけると勉強机に向かっている娘の姿や、ベッドに寝そべって漫画を読んでいた息子の姿が見えてもおかしくないような気がしました。




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まだ若いシェルさんのお気に入りの場所だったところ。




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それがここ。



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今年の桜の頃に御年19歳で逝ってしまったプリさんのお気に入り。冬はこのカップボードの前にストーブを置いていたので、家で一番暖かい居心地の良い場所だったようです。



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そのカップボード。



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二階の階段の踊り場には猫たちのつけた爪の跡も懐かしい。



そういえば、あの阪神淡路大震災を味わったのもここでした。
うちは大きな被害はありませんでしたが、周辺では景色がすっかり変わるほどの被害もでました。くずれた家の破片が散らばる道を歩くのは胸が痛かった。

そして1ヶ月ガスが使えず隣の隣の市まで銭湯かよい、おりしも娘の中学入試直前だったのを思い出します。





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ダイニングから見たキッチン。
今よりはお料理してましたね。お弁当作らなきゃならなかったし。


家中あちこち見て回っているうち、6年のブランクはまったく感じなくなって、明日からここでまた宝塚の暮らしをしようと思えば6年をすっとばして、すっとはいっていけるような心地がしました。18年の重みでしょう。

特に家族にとって、あるいは自分の人生にとっても華といってよい時代を過ごした場所ですから。もちろん華の時代とは、苦しいことやしんどいこと、悩みもたくさんあったけれど、過ぎてみれば人生で一番充実していた時代、という意味です。

いまは楽しいけれど、人生のピークはもう過ぎちゃったかな〜という感じで。人間苦労した時代が一番ふりかえって輝かしい時代のようです。




さて、ほりっぱなしの庭にまわりましょう。



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かつてウィークエンドガーデナーであった私は庭造りにはかなり労力を傾けました。いろいろな花を育て失敗したり、思った以上に繁殖して困ったり、、、、
かつてのなんちゃってイングリッシュガーデンです。



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こんなクラシックローズも育てていたんですよ。




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それが、、、こんなことになっちゃってます。どひゃ〜〜!

一応ビニールシートを造園屋さんに敷き詰めてもらってたのですがね。雑草の強い生命力の前には無力でした。

にもかかわらず、生垣のアベリアや西洋紫陽花、夏蜜柑、秋明菊は健在!というのは感激でした。



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一番びっくりしたのはこの大木になっちゃったネムノキ。
これ最初鳥の運んだタネから芽が出た小さい小さい木ともよべないものだったのです。それがまあ、こんな大木に、、、ふわふわのパウダーブラシのような花もさかせていました。

この荒れ放題の庭はまだ所有権を残しておくので、ちょっとなんとかしないといけないなあ。




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最後に、家の中にもどって思わず深々と頭を下げました。

長い間、どうもありがとう。ありがとう。


もうここに来ることもないと思うと少し涙がでました。




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帰りに毎日通勤に使っていた阪急宝塚駅へ。

ここに引っ越した当初は阪急の駅もJRの駅も古かった時代。宝塚歌劇へ通じる道もひなびた温泉地の道、それでしたが、引っ越してから駅前はどんどん変わっていきました。
この阪急の駅などはできてすぐあの大震災、新しいのに亀裂ができたところもありましたね。



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駅ビルであるところのソリオ(ショッピングセンター)も、住んでいた頃から(あるいはそれ以前から)変わらないお店もたくさんありました。なつかしい。この日の晩飯は、よく子どもたちといったお好み焼き屋(大きく拡張してはった!)でお好み焼きとビール。




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変わる物あり、変わらない物あり、、、今度この町にくるのは何年先になるでしょう。
しばし、さらば宝塚。




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● COMMENT ●

京都に移られ、宝塚のお家、どうされたのかな ?
と疑問に想っておりましたが、
長らく貸されていたのですね。
このたびご売却ということで、
これで名実ともにしぇるさん京都人ですね !
(当方は相変わらずどちらが本拠なのか
分からない浮遊生活を送っております)

S&Y様

この歳になると、やっぱりどこか一箇所におちつかないと二重生活はちとつらいですね。
まあ宝塚は家だけで生活は卒業してたので、いまさら変化はありませんが(^_^;
宝塚に行く口実がなくなったのは確かです。


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