平安神宮煎茶献茶祭茶会2016 - 2016.09.29 Thu

今年もご近所の平安神宮で煎茶献茶祭茶会。毎年9月最終日曜日に行われます。

毎年京都の数ある流派からかわりばんこで六流派。
広い境内〜神苑のあちこちに散らばる席を、植治の池泉回遊式庭園をそぞろ歩きながらたずね歩くのも楽しみ。
入ってすぐの額殿では皇風煎茶禮式のお席。

神苑の中へはいる。ここはほんとうに歩を進める毎に違う景色が広がる市中の名園なのだ。

赤い野点傘は休憩処。
いつも月釜をしている澄心亭では玉川遠州流が席をもってはった。

臥龍橋。
煎茶道はほんとうに100以上流派があるのではないかしら。
それぞれにお点前や作法がちがうので、我流の作法でいただいてもOKよ。

茶道ではお菓子はお茶の前に食べるけれど、煎茶では一煎目と二煎目の間に食べたり、二煎目の後お白湯といただいたり、ほんとお菓子一つとってもそれぞれ違う。

一番迷うのは飲み終わった後に茶杯を伏せる流派、伏せない流派があること。これだけはどっちか悩む。
ちなみに私がちょっとだけかじった小川流では茶碗は伏せない。
お茶は適々といって茶杯の底にほんの数滴のお茶しかはいってない。だから時に「お茶入れ忘れたんじゃ、、、」と思われる人もいるだろうなあ。

数ある茶席で、池にせりだした貴賓館の雰囲気がやはりよいのでこちらを選ぶ。今年は泰山流のお席。

待合からは池が見え、池の中に浮いているような錯覚。
春にはここで紅枝垂れコンサートもおこなわれる。

泰山流は大正年間に作られた比較的新しい流派のようです。
煎茶道は茶道より自由闊達で制約が少なく、清風を旨とし、文人好み、禅宗思想よりは老荘思想を重んじます。なので室礼は野山の木の実があったり、大きな枯木が飾ってあったり、なかなかダイナミックで面白い。野点の自由さを席にもちこんだイメージかな。参考になることが多い。

この席の軸は「温良恭倹譲」。孔子の人柄を五文字であらわしたもの。
さすがに論語や孔子の軸は抹茶の席ではあまり見ない。茶席と水屋のあいだに屏風ではなくて暖簾がかかっているのも煎茶的。
光琳菊の薯蕷をお菓子にいただき、煎茶二服いただく。(ここだけのはなし、私は味的に抹茶より煎茶が好きだ)

泰平閣(橋殿)には席待ちの方がたくさん。

勅使館では小川流の席。
家元の後楽さんが亡くなられたのはついこの前。学究肌で京都新聞で連載されていた漱石がたどる京都の煎茶旅の記事は楽しみにしていたのに残念です。ご冥福をお祈りします。それでも跡継ぎの可楽さん(もう後楽を継がはったかな?)は以前から立派に活躍してはったので流派は御安泰かと。

あと一席は遥拝殿の賣茶本流の野点席へ。
こちらは幕末の頃にできた流派のようです。

腰衣(こしころも)という前掛けみたいなものをつけるのが特徴。他のつける流派もあるかもしれないけど、、

この遥拝殿は神殿の庇部分が席になっていて、白砂の庭に向かうのも雰囲気が良くて好きだわ。
お菓子は本家玉寿軒さん。
煎茶の点出は細長い盆、とくに芭蕉の葉をかたどった彫り物があったり、葉っぱにカエルがとまっていたりするのがあって、これもそそられる。

今年も楽しませていただきました。
参考になる室礼もたくさん。どう生かすか楽しみだわ。
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