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2023-12

長月晦・夕ざりの茶事 - 2016.10.02 Sun

長月のつごもりの夕ざりの茶事。



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季節としては旧暦の重陽(今年は10月9日)・菊の節句もとりたいし、、、




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先の月見(9月15日の十五夜)後の月見(10月13日の十三夜)のはざまの時期で月もとりたい、、、




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というのであれもこれも、、、この季節はお題にことかかない。事欠かなすぎて困る。

この季節のお約束、鴨川べりで刈ってきた薄を玄関なげいれてお迎え。




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ついでに虫の音のテーマも。
月を愛でながら、虫の音も愛でながら(これができるのは日本人だけらしいよ。よその国の人には雑音なんだって)、、





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鼓胴の花入で音曲も想像して楽しんでいただこう。

夕ざりは初座が花になる。暗くならないうちに見ていただくために。




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汲み出しは先日川口美術で入手したばかりの伊藤明美さんの高麗青磁写し。本来は深向付。




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お酒は重陽で菊酒。

この日のお客さまはわりと召し上がってくださるのでうれしい。



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この季節限定の萩の煮物椀。
満月しんじょうにしたつもりが、なんとなく居待ち月くらいにゆがんじゃった。



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強肴の器は伊賀の笹山さんの片口。木工の水野悠祐さんに蓋を作ってもらって水指にしたやつだ。こうして懐石にも大活躍。

中味は嵯峨野・森嘉さんの大き目ひりょうず。(かなりボリュームあり)

茶事は、、、
私にとって庭掃除50%、懐石25%、残りの25%がお茶なの。懐石がすんだ段階で75%終了なのよ。あと一息!

千鳥は別杯持ちだしをまたやっちゃった!
ちょっとびっくりするお客さまの顔をみるのが楽しみで、、、、(^-^)




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お菓子は西陣・愛信堂さん。
月にまつわるもの、、、とだけお願いしたらこんなすてきなお菓子。銘を「つごもり」

雁の焼き印があるがこれが期せずして後座の「秋空一声雁」に見事呼応してうれしい限り。

葛を求肥で巻いたもので、初めていただく食感!




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中立のころ、思惑通り燈火がいるほの暗さになってきた。

これからが夕ざりの醍醐味。夜咄のおいしいとこどり。



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灯籠の障子(手作り)もスタンバイOK。

本日も有能な水屋さんに助けられる。




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待合から茶室への露地。

あちこちにいろんなタイプの燈火を用意。



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写真では暗くてあまりわかりませんよね(^_^;

でもこの雰囲気はお茶事の中で一番好きな景色。



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今回はじめて、使い方がわかったジャイロの手燭、これを躙り口の横にひっかけた。これってこうやって使うモノだったんだ。安定の悪い手燭やなあ、、、と思っていたの(^_^;


(こうなってます↓)


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実際はもっとはしっこに掛けてます。




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今回も短檠のかわりに李朝燈火器。
(一生短檠の灯芯はよう使わん。あれぶちぶち切れすぎ、、、)

これと手燭一つではほんまに昔の夜の茶会はこうやったんやろうなあ、、、というくらい暗い。
点前のボロがかくせてよい、、、(^_^;あれ?
もとい、蛍光灯の下では絶対味わえない茶碗や茶入の陰翳を楽しめる。




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手燭灯りの元、道具を拝見されるお客さま。

美しい景色。私はレンブラントの絵を思い出す。


続き薄では、他流派を修行されている水屋さんに点てていただいて、一堂裏千家なものだから、「へ〜」「ほ〜!」と驚きしきりもまた楽しかった。今回はみなさま、京都以外からおいでのお茶の手練れの方々。一座建立、ありがとうございました。
亭主もずいぶん楽しませてもらいました。



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お干菓子は例によって干菓子専門の亀廣保さんのススキと小芋。
ススキの尾花に氷餅の粉がかかっていて尾花のふわふわの雰囲気をよくあらわしている職人芸。好きやわ、ここの干菓子。

いよいよ神無月になりましたね。




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