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2017-09

重陽菊月〜菊慈童さんの茶事 - 2016.10.26 Wed

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国立近代美術館の裏の白川沿いの桜の葉も色づいてきました。また美しい季節がやってくる予感です。



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このほとりにたたずむ竹中庵、春には桜のトンネルが眼前、夏には蛍、そして秋には照り葉が楽しめる絶好のロケーション。5月にはここで白川酔舟茶会させていただきました。ついせんだっては大雨の中の白川茶会もありましたねえ。大雨でうちの担当の日はお客さん約2名だった、、、(^◇^;)

でもそのご縁で岡崎のお茶友さんが毎年開かれている年に2度の茶事にこの場所を選ばはった。私は今回初めてのお招きにあずかりました。



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「花を弄すれば香衣に満つ」の待合掛けには菊の絵が。ここで心にその対句の「水を掬すれば月手にあり」とともに月のイメージが。

最初の濃茶席、村雲をまとったまん丸なお月様のような花入に鹿ヶ谷のお家からもらわはったという秋の草々。ワレモコウやビナンカズラの赤い実、ホトトギスに、、、ああ、これは私の好きな大文字草。

お軸が重陽の節句(今年は新暦で10月9日でした)と月にちなむ和歌。ご亭主は和歌のお軸がたいそうお好きで造詣が深く、字を見て、あ、これはだれだれの字、とおわかりになるの\(◎o◎)/!


前回初めて山里棚の起源が藪内流にあると教えてもらいましたが、今回は少し小ぶりの風炉用山里棚。(かつて裏千家の淡々斎はこの棚を使うたびに必ず藪内のお家元へ挨拶されたとか)
今回のお正客さまも茶の湯(とくにお道具〜>^_^<)にはんぱなくご造詣の深い藪内の方でしたので(それ以外はみんな裏千家〜)ふたたび山里棚の起源について話がもりあがりました。

お茶碗が、ほとんどのみなさまの共通の知人でもあるサラリーマン陶芸家(?)まさんど窯の平金昌人さんの井戸茶碗二つ。最近信楽に自作の窯をつくらはって薪で窯炊きするようになってますます腕を上げた感のある平金井戸です。

茶杓の銘が「村雲」、月に村雲、月もくまなきはいやにてさふらふ、バッチリはまってますね。



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中立のあとは薄茶席、お軸が「福寿海無量」

具一切功徳慈眼視衆生
福寿海無量是故応頂礼


法華経の一節でありますが、お能の菊慈童を連想させるフレーズでもあります。

あやまって帝の枕をまたいでしまったため宮中を追われた慈童、それをあわれんで帝がこの妙文を枕にかきつけられてくださった、それを菊の葉に書き写したところ、滴る雫が不老不死の霊薬となり慈童は700年の寿命を得た、、、そんなお話。

そういえば濃茶席の香合に「万歳」の銘があったのは菊慈童の

  いかにも久しき千秋の帝 万歳の我が君と祈る

からきたのかな。



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床の花もあらたに一重八重の秋明菊、秋海棠。

香合は能舞台の橋懸かりの松を思わせる松の絵扇形香合、薄器はその菊の葉のしたたりより変じた菊慈童の不老の薬を入れたつもりの薬器。茶杓まで銘が「長寿」、客の長寿を願って使ってくださったのね。

お茶碗もたくさん出してくださったけれど、やっぱり一番惹かれた茶碗が平金井戸の友継ぎ茶碗。それぞれ破片の色が微妙に違うので絶対呼び継ぎだと思っていたのに、これは作者の意図的な友継ぎなんだそうな。渋くていいわ。ええのん手にいれられましたね。


薄茶席の干菓子は菊水、百万遍・かぎや政秋の野菊(アーモンド落雁 ほろりとして口溶けがよい)とお馴染み亀廣保の観世水(ここまで観世流にかけたか)




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茶席のあとは、竹中庵の白川が眼前にひろがる二階にて祗園・菱岩さんのお弁当をよばれました。菱岩いちおしの出汁巻きも入っていてうれしい。



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石杯もたくさんコレクションをだしていただきましたが、私のチョイスはこれ!
大黒さんの打ち出の小槌に中にネズミの絵がかいてある染付。

そして、、、出して下さったのが長野飯田市喜久水酒造酒造の「菊慈童」!

ここまでこだわりの一会、お見事と言うほかありません!!
いろいろテーマを読み解く茶事ほどおもしろいものはないので、ほんまに楽しい楽しい茶事になりました。ここまでそろえはるのはほんまにたいへんやったと思いますが、ありがたいことです。


   泉はもとより酒なれば 酌みては勧め 掬ひては施し 
                 我が身も飲むなり 飲むなりや




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さて、ご亭主、、、、

あるときは平成の利休居士?ある時は滋賀のお寺の和尚様(ウソです)?ある時は有能な仕事人、またあるときは歩く京都歴史書(博覧強記すぎる!)、、、しかしてその正体は、、、おちゃめな菊慈童さんやったんや(^◇^)






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● COMMENT ●

これは万事に造詣の深いご亭主がそれを理解できるしぇるさまというお客を得ての、丁々発止のやりとりが茶の湯という舞台で成立した見事なお茶事だったのですね。亭主がどんなに思いを籠めても客が汲み取ってくれなければ茶事は成り立ちませんものね。

ところで能の菊慈童は魏の文帝の時代の話、周の繆王に仕えていた菊慈童はその時既に七百歳だったと。すると現代にいる私たちは菊慈童をテーマに2500年くらいの時空を行きしてるということですか。茶の湯って何だかタイムマシンみたいですね。

そらいろつばめ様

御連客様はお寺の和尚様がたなど、古典にも造詣の深い方がおられ、私の出る幕はありませんでしたよ(^_^;
ひとりで納得して楽しんでいました。ご亭主の豊富な知識から教えていただくことが多く勉強になります。
お返しに(?)ご近所の美味しい店とかお菓子屋さんなど教えてあげてます(^_^;)

菊水鉾ゆかりの琥珀寒「したたり」の由来が菊慈童の「菊の葉におくしたたりや」からきていることに、実は今年はじめて気がついたのです。遅いわ〜。


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