SHUHALLY〜守・破・離〜の茶事 - 2016.11.04 Fri
関東の方のお茶事情はあまりよく知らない。
けれどshuhally主催者の松村さんのおうわさはかねがね漏れ聞いていた。
HPを拝見すると、なんだかすごく、、、すごく、、、ぶっとんでる??
漫画「へうげもの」とコラボした激陶者集団(ちょっとアヴァンギャルドな陶芸家集団)へうげ十作にも深く関わっておられると聞く。
「茶の湯をもっと自由に!もっと愉しく!」をスローガンに、彼の活躍は広くてすごいので、つたない言葉ではよう説明しきれんから、是非HPを見てね。

(勝手に私淑している)師匠がさそってくださって、このshuhally〜村松さんのお茶事へいそいそと横浜まででかけたのだ。関内の町中のなにげなビルの5F、おお、矢印が!期待に胸は高鳴る。
ふつうのマンションのドアをあけたら、、、、いきなり広がる数寄屋の世界。待合の襖は松琴亭の市松を小さくして波文様を、曳き手は舟の櫂、荒スサの土壁に、、、、ここ、ほんとうにビルの中?
マンションとして建築防災基準はみたさねければならないので、スプリンクラーや換気扇などの設備は必須なのだが、竹の有楽窓みたいな簀の子で天井をびっしり、見事にそれらの設備の存在感を消している、お家元命名の「文彩庵」。
汲み出しをいただき露地にでてまたまたビックリ!
え?ここマンションの5Fだよね???の、すてきな露地!土を盛って作った空中露地は桜の木が根付きその葉を紅葉させているし、杉苔は育っているし、その他の木々のむこうにビルが見える不思議さ。
腰掛け待合いもモダンなデザインで、ふっと座席の下を見ると、マネキンの首が〜〜(@_@;)
四つ目垣・枝折り戸の現代的解釈、これも目からウロコ。

本席・四畳半にはいると、、、
なんと漆黒の畳に黒いスモークガラスに囲まれた空間、「へうげもの」に織部が初めて利休に招かれて二畳の待庵へ入った瞬間、宇宙をそこに見た、というシーンがあったが、ちょっとそれに似ている。
点前座の向こうのスモークガラスには水屋の灯りがほんのり見えて、水屋の気配をかすかに感じられ、夜咄みたいな雰囲気もある。
床框や床柱も真塗りにしかみえなかったが、さわってみると、これがスチールなんだわ、びっくり。床の真ん中には大きな、、、、一瞬神獣鏡裏面にみえたが、現代アートの松下徹さんの作品、ぐるぐる回って不規則な紋様をみているとひきずりこまれるよ。
又隠写しの茶室というが、これもまた又隠の現代的、、、いや、未来的解釈かな。
五行棚にのるのはメタリックな土風炉、地球儀の形を模した釜、いずれも松村さんが現代アートの作家さんに直接依頼された物とか。(私が持っているの同じ作者の釜なんだが、へ〜え、彼こんなアヴァンギャルドなのも作るんだ(◎o◎)!)
懐石の器もまた楽しい。これも若い現代作家さんのもので、とにかく石杯シリーズがユニークすぎて、おもしろすぎて、みんなできゃあきゃあ♪いいながら楽しんだ。ちなみに私の選んだのはひっくりかえしたら鬼の髑髏の上顎より上の部分になっていた。しかも金色のつぶつぶイッチンでなんとまあはでな髑髏!
印象的なのは炭斗。形としては利休好みのよくある形ながら、すべてワイヤーでつくりあげ、銀メッキしたもの。銀の鈍い輝きが黒い茶室で美しく、手にとれば当然ながらずっしり重い。
縁高も特製の美しい陶器で、これも軽く見えて重い。白い椿のような練り切りの和菓子をいただいたが、これも新進の女性和菓子作家さんのもの。(京都で言えば御菓子丸さんや青洋さんみたいな感じかな)
しかし、軽いと思った物が予想外に重い、、という不思議な感覚はほどよく頭脳を刺激してくれる。今回はそんなものが多くて、これも松村さんの企みなのだろう。

中立の時には外はもうすっかり暗くなって露地行灯がついついビルの中にいることを忘れさせる。

後座の花。
紙をくしゃくしゃっとさせたのをそのまま陶器にしたような花入れ、はっと胸をつかまれたようにどきどきする。それもそのはず(?)、これは心臓の形をあらわしたものなんだそうな。
光を透かして見るコスモスの花びらはまるで繊細なペーパークラフトにさえみえる不思議さ。
濃茶、柄杓を蓋置にあずける瞬間(本来なら簾をまきあげるタイミング)、パッと漆黒の畳が光り出したのにはたまげたわ。みんなも、うわ〜〜!と感嘆の声しか出ない。なんて茶室を作ってしまったのだ\(◎o◎)/!
光を透かせるガラスの水指がまたきらきらと美しい。
濃茶の道具はかなり重厚ながら、この前衛的ともいえる茶室になじんでいる。
その道具を使って点前する松村さんの所作がまた美しい。某茶道学園ご出身だから、基礎がちがうのだ。これまた特注の美しい帛紗でされる四方捌きがあまりにきれいすぎて、思わずみとれてしまった。濃茶は最近珍しいくらいのぼってり濃いめでこれがうれしい、おいしい。

続き薄になると、またまたお茶碗が前衛的ユニークすぎのものがたくさん!たくさんの眼球ににらまれながらのむ茶碗もあれば、口づけしなければ飲めないセクシーな唇だらけの茶碗とかヽ(≧∀≦)ノ
どうみても木地の棗にしかみえない薄器が、利休の棗を3Dプリンターで写した物だったり、、、ええ〜(;゜0゜)もうそんな時代ですか?!それにのっかている茶杓が織田有楽斎のものだというおもしろさ。有楽もビックリだよね〜。
ちなみに画像は干菓子の干琥珀を光る畳越しに撮った物。この干琥珀の色がなんとも、見たことがない複雑さ。

楽しくもおどろきの連続の茶事を終えて松村さんの袴の腰板に髑髏発見(^_^;
同時代に生きる若いアート作家さんを駆使して、自分の好みを形にして革新的な茶の湯をする、、、これはどこかで聞いた話、、とおもったら、まさに利休さんのことではないか。彼も当時はかなりアヴァンギャルドだと思われたに違いない。それが100年先、500年先にスタンダードになったように、shuhallyの茶の湯にもそんな時代がくるのかな。
HPを見て、どんだけぶっ飛んでいるんだ?と思っていたけれど、茶の湯のバックボーンや茶道の基礎がしっかりと確立しているから、その上に組立っているので、単に崩しただけではない美しさがあるし、茶の湯の核心から離れないのだろう、と思った。
あ、それがまさに「守・破・離」ではないか!
そういうことだったか〜!
けれどshuhally主催者の松村さんのおうわさはかねがね漏れ聞いていた。
HPを拝見すると、なんだかすごく、、、すごく、、、ぶっとんでる??
漫画「へうげもの」とコラボした激陶者集団(ちょっとアヴァンギャルドな陶芸家集団)へうげ十作にも深く関わっておられると聞く。
「茶の湯をもっと自由に!もっと愉しく!」をスローガンに、彼の活躍は広くてすごいので、つたない言葉ではよう説明しきれんから、是非HPを見てね。

(勝手に私淑している)師匠がさそってくださって、このshuhally〜村松さんのお茶事へいそいそと横浜まででかけたのだ。関内の町中のなにげなビルの5F、おお、矢印が!期待に胸は高鳴る。
ふつうのマンションのドアをあけたら、、、、いきなり広がる数寄屋の世界。待合の襖は松琴亭の市松を小さくして波文様を、曳き手は舟の櫂、荒スサの土壁に、、、、ここ、ほんとうにビルの中?
マンションとして建築防災基準はみたさねければならないので、スプリンクラーや換気扇などの設備は必須なのだが、竹の有楽窓みたいな簀の子で天井をびっしり、見事にそれらの設備の存在感を消している、お家元命名の「文彩庵」。
汲み出しをいただき露地にでてまたまたビックリ!
え?ここマンションの5Fだよね???の、すてきな露地!土を盛って作った空中露地は桜の木が根付きその葉を紅葉させているし、杉苔は育っているし、その他の木々のむこうにビルが見える不思議さ。
腰掛け待合いもモダンなデザインで、ふっと座席の下を見ると、マネキンの首が〜〜(@_@;)
四つ目垣・枝折り戸の現代的解釈、これも目からウロコ。

本席・四畳半にはいると、、、
なんと漆黒の畳に黒いスモークガラスに囲まれた空間、「へうげもの」に織部が初めて利休に招かれて二畳の待庵へ入った瞬間、宇宙をそこに見た、というシーンがあったが、ちょっとそれに似ている。
点前座の向こうのスモークガラスには水屋の灯りがほんのり見えて、水屋の気配をかすかに感じられ、夜咄みたいな雰囲気もある。
床框や床柱も真塗りにしかみえなかったが、さわってみると、これがスチールなんだわ、びっくり。床の真ん中には大きな、、、、一瞬神獣鏡裏面にみえたが、現代アートの松下徹さんの作品、ぐるぐる回って不規則な紋様をみているとひきずりこまれるよ。
又隠写しの茶室というが、これもまた又隠の現代的、、、いや、未来的解釈かな。
五行棚にのるのはメタリックな土風炉、地球儀の形を模した釜、いずれも松村さんが現代アートの作家さんに直接依頼された物とか。(私が持っているの同じ作者の釜なんだが、へ〜え、彼こんなアヴァンギャルドなのも作るんだ(◎o◎)!)
懐石の器もまた楽しい。これも若い現代作家さんのもので、とにかく石杯シリーズがユニークすぎて、おもしろすぎて、みんなできゃあきゃあ♪いいながら楽しんだ。ちなみに私の選んだのはひっくりかえしたら鬼の髑髏の上顎より上の部分になっていた。しかも金色のつぶつぶイッチンでなんとまあはでな髑髏!
印象的なのは炭斗。形としては利休好みのよくある形ながら、すべてワイヤーでつくりあげ、銀メッキしたもの。銀の鈍い輝きが黒い茶室で美しく、手にとれば当然ながらずっしり重い。
縁高も特製の美しい陶器で、これも軽く見えて重い。白い椿のような練り切りの和菓子をいただいたが、これも新進の女性和菓子作家さんのもの。(京都で言えば御菓子丸さんや青洋さんみたいな感じかな)
しかし、軽いと思った物が予想外に重い、、という不思議な感覚はほどよく頭脳を刺激してくれる。今回はそんなものが多くて、これも松村さんの企みなのだろう。

中立の時には外はもうすっかり暗くなって露地行灯がついついビルの中にいることを忘れさせる。

後座の花。
紙をくしゃくしゃっとさせたのをそのまま陶器にしたような花入れ、はっと胸をつかまれたようにどきどきする。それもそのはず(?)、これは心臓の形をあらわしたものなんだそうな。
光を透かして見るコスモスの花びらはまるで繊細なペーパークラフトにさえみえる不思議さ。
濃茶、柄杓を蓋置にあずける瞬間(本来なら簾をまきあげるタイミング)、パッと漆黒の畳が光り出したのにはたまげたわ。みんなも、うわ〜〜!と感嘆の声しか出ない。なんて茶室を作ってしまったのだ\(◎o◎)/!
光を透かせるガラスの水指がまたきらきらと美しい。
濃茶の道具はかなり重厚ながら、この前衛的ともいえる茶室になじんでいる。
その道具を使って点前する松村さんの所作がまた美しい。某茶道学園ご出身だから、基礎がちがうのだ。これまた特注の美しい帛紗でされる四方捌きがあまりにきれいすぎて、思わずみとれてしまった。濃茶は最近珍しいくらいのぼってり濃いめでこれがうれしい、おいしい。

続き薄になると、またまたお茶碗が前衛的ユニークすぎのものがたくさん!たくさんの眼球ににらまれながらのむ茶碗もあれば、口づけしなければ飲めないセクシーな唇だらけの茶碗とかヽ(≧∀≦)ノ
どうみても木地の棗にしかみえない薄器が、利休の棗を3Dプリンターで写した物だったり、、、ええ〜(;゜0゜)もうそんな時代ですか?!それにのっかている茶杓が織田有楽斎のものだというおもしろさ。有楽もビックリだよね〜。
ちなみに画像は干菓子の干琥珀を光る畳越しに撮った物。この干琥珀の色がなんとも、見たことがない複雑さ。

楽しくもおどろきの連続の茶事を終えて松村さんの袴の腰板に髑髏発見(^_^;
同時代に生きる若いアート作家さんを駆使して、自分の好みを形にして革新的な茶の湯をする、、、これはどこかで聞いた話、、とおもったら、まさに利休さんのことではないか。彼も当時はかなりアヴァンギャルドだと思われたに違いない。それが100年先、500年先にスタンダードになったように、shuhallyの茶の湯にもそんな時代がくるのかな。
HPを見て、どんだけぶっ飛んでいるんだ?と思っていたけれど、茶の湯のバックボーンや茶道の基礎がしっかりと確立しているから、その上に組立っているので、単に崩しただけではない美しさがあるし、茶の湯の核心から離れないのだろう、と思った。
あ、それがまさに「守・破・離」ではないか!
そういうことだったか〜!
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● COMMENT ●
KK様
お目にかかったのは初めてです。
ちらほらお噂は聞いていましたが、いや想像以上でしたね。
またフランクなお人柄がすてきでした。
お菓子はそう、紫穂さんのでした(^-^)(って、存じ上げないのですけど^_^;)
ちらほらお噂は聞いていましたが、いや想像以上でしたね。
またフランクなお人柄がすてきでした。
お菓子はそう、紫穂さんのでした(^-^)(って、存じ上げないのですけど^_^;)
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数年前にたけしの等々力ベースで見てから、マンションの一室とは思えない空間と、松村さんのお喋りに興味津々になりました。
お菓子は坂本紫穂さんかしら??