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2023-11

囍春・茶菓花器事〜好日居にて - 2013.04.16 Tue

昨年晩秋、河原町丸太町のkitさんでひらかれた茶菓花器事・遊秋は、お店一杯にしきつめられた落ち葉をカサコソ踏みながら、とても楽しくすごした。

また同じメンバーで春の茶菓花器事・囍春のおさそい。

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しかも今回は、いつも花担当のみたてさんが、とうとう本拠地となるお店を開店したお祝いというめでたい会。なので「囍」なのね。
しかもその場所は、私が何回かいったことのある、連棟の織屋建の一軒、ぎゃらりーRICO さんの並びじゃありませんか!お気に入りの高麗美術館もちかいし。

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この囍春・茶菓花器事はそのみたてさんで2日間おこなわれたのだけれど、その最後を飾る会は場所を変えて、黄昏ちかい岡崎・好日居にて。

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ウェルカムティーは月の光で発光させたといわれる微発酵茶・白毫銀針(たぶん、、)に華やかなバラの香りを添えたもの。夜会にふさわしく。

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おめでたいことが重なるように、今回の会のテーマは松竹梅なのだそう。
まずは「松」。
フレッシュな松葉を熱湯で煎じる。ええっ?!松葉ってお茶にもなるの?

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初座を見守るのは器担当、陶芸家・金工家・木工家なんでも作れます!の市川 孝さんの大壺と、彼の伊吹山のアトリエの敷地に咲く桜。みたての若いご夫婦の新たな門出を祝って。

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いただいたお茶はまぎれもなくあの松の香り、少しも違和感がないさわやかなお茶です。
ちなみに今夜の器も下に敷いた縞黒檀のミニトレーもみんな市川さんの作品。松葉茶の器はペットボトルのキャップくらいの大きさでとてもかわいくてほっこり。(⌒-⌒) 

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急須の中の松葉。さらに佳い香り。

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中国茶につかうピンセットのような箸に茶葉をひっくり返す棒。これも絵になる。

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今度は奥の間に場所を移して。この席は「竹」の席。
李朝白磁(実は市川・作)の壺にみたてさんが入れた笹と筍。バンダジにあまりにもマッチして美しい美しいコーナーに。

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茶碗がならべられた大きなブリキの円盤はトルコのものだとか。

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その茶名も「竹葉青」。名前の通り竹の葉のような形の茶葉は2月頃、まだ寒い時期にやっと芽を出した茶葉の新芽を摘んだ貴重なもの。これは煎茶のさわやかさにとても似ていて、日本人好みのお茶だな。茶葉ももちろん食す。

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みたてさんで扱うのは長野などから仕入れた山野草がメイン。とても可憐なかそけき花ばかり。栽培はむつかしそうだが、茶花には最高。いちどお店をのぞきにいかないとね。

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好日居のミニキッチンではスタッフがあれこれ忙しく準備中。こういう景色って好きだな。

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これも市川さん作のスプーンにのって出てきたのは胡麻油。

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この韓国式茶粥は李青さんかな?
これに先ほどの胡麻油や塩を好みで投入し、いただく。おいし〜ヽ(*^^*)ノ

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めったに入手できない花山椒も投入。両手でパンパンとたたいて香りをだして。
この李朝祭器写しの器も市川作。彼の陶芸の手本は李朝の器なのであります。(うふん、私好みのど真ん中。しかもなんと下鴨の川口美術さんで何年も前から彼の個展、やってるんですって。)

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さてさて、次なるは紙にハサミをそれぞれ一刀ずついれてください、というもの。
???

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みなさん、真剣なお顔でハサミをいれて、できあがったのは、「囍」。
これをどうするのでしょう。

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はい、茶菓花器事恒例の花影の茶。季節の花と、この囍をおいて上から抹茶をふりかけ、その影を写し取ります。

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これは「梅」の席。
小さい青梅のついた梅の枝をいれる壺はこれも市川・作ですが、偶然できたひびわれが良い景色になっています。

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梅の席のお菓子は、これも最近実店舗・工房をもたれたばかりの日菓さん。これはかるかんなんですが、なかにお菓子でつくった梅の実がかくれています。表面にふった抹茶は春の芽吹き。

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先ほどの花影のお茶は抹茶となりました。

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続くお菓子の二つ目は「梅雲」。ふわふわの梅の形の雲なんだそうですよ。芽吹きには雲がはこぶ雨が欠かせません。
白餡を求肥でくるんだ、、、そう、まるでにゃんこの足みたいなかわいいフォルム。

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最後のお茶は花の香りの玉蘭香。玉蘭花は白木蓮のこと。華やかな香りがたって、王侯貴族にでもなったような気分。

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最後のお菓子は小梅の干琥珀。

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力強い中国茶は何煎でも香りを失わず、小梅をひとつ、またひとつぽりぽりやりながら何杯もお茶をいただく。

こうして美しい宵の茶菓花器事、やがておひらきです。

皆様にも「囍春」を。




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● COMMENT ●

おはようございます、しぇる様

なんて素敵なお茶会なんでしょう~!
囍春のおすそ分け、いや、お福わけを有難うございます。
花影の茶の色が、まさに今は春べという様で。
御ブログのトップも、春の野でございますね。
きっと、しぇる様みたくもっとお茶を深めれば私も、もっといろいろ感じることができるのでしょうねぇ。
↓ご紹介の本、今日のお稽古の後、求めに参る予定なんです~。

RICOさんの近くの物件を見に行った時、RICOさんにお会いして、空き物件だったお家にお花屋さんが入るという話を聞いたのですが、こちらでおなじみの方だったんですね。お稽古面白そうなので行きたいな~と思いつつ。
ラストの好日居さんでの夜のお茶会に行けるご近所さんというのがうらやましい。

ほんとに 夜の茶会に行けるのはいいなあ。

いけこ様

お茶をされる前から季節のことなど、感受性豊かないけこ様ですから、お茶を習われたらきっともっと!
先日の本は淡○社の本としてはすごく売れているようですよ。あるていどお茶をされてから読み直してもまた新たな発見があると思います。

まもなく茶箱のお稽古なんかもはじまると思いますが、もしお稽古用のものでよろしければお譲りしますがいかがでしょう。月点前以外の茶箱点前できます。(月はあとで付属品をそろえればOK)
もしおいりようでしたらメルアド(公表されません)残しておいてね。

夢風庵様

近いのはありがたいですが、それ以上にこんな時間までこんな茶会をひらいてくれるお店というのが在り難い。
いつも楽しく美しい趣向、勉強させてもらっています。
RICOさんとこのならびで以前百職さんがはいっていたし、その前もしっているし、そんな場所にみたてさんがはいるとは、なにかご縁を感じてしまう。花の投げいれ、ならいにいこっかな。

ひいらぎ様

お宿・しぇるに泊まって参加されますぅ〜?
B&Bくらいのことはできますよ。

うわあ、素敵な茶会ですね。好日居、暫く行っていないので、次回の京都ではぜひ寄ってみます。中国茶のストックがたくさんあるので、お土産にしましょう。
そういえば、丹後の縄屋さんも市川孝さんのファンのようですね。つい最近、季の雲に行った話がブログにありました。行きたい所、ほしいモノがたくさんあって困ってしまいます。

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そらいろつばめ様

好きな物ひとつから初めて、関連する物やことをたどっていくと、意外なつながりになっていくことにびっくりしています。市川さんと川口美術さん、好日居さん、kitさん、みたてさん、日菓さん、高麗美術館、李青さん、、、、こうしてみるとこれが私の「ひとつがね」なのかしら。
縄屋さんも市川ファンだったんですね〜!ビックリ。

Re: タイトルなし

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