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2017-06

口切りの茶事〜横浜A庵 - 2016.12.03 Sat

口切り茶事はなんどか経験したけれど、なにかのイベントや大寄せなので、ほんとうの主客の交わりのある茶友の口切り茶事は今回がはじめて。

茶友とはいえはるかなご先輩のA庵様、横浜に帰られてから初めて茶事にお招きいただいたのが今回の口切り!
京都にお住みになった約三年間はいっしょに奥伝の勉強や、あちこちの茶事茶会をご一緒させていただき、ほんとうに楽しくもいっぱいいっぱい勉強させてもらった。

昨今、口切りの茶事を個人でされる方はあまりいないと思うので、今回は楽しみにして参上した。



IMG_4714.jpg
(ちなみにこれは後座の茶壺)



初座で床の間に鎮座する茶壺は仁清の吉野図茶壺(福岡市美術館蔵)写しで、口切りを迎えた茶人のうれしさの象徴のように華やか。ご挨拶のあと、「ご都合により茶壺の拝見を」乞う。

御茶入日記をみんなで回しているあいだにも茶葉じょうご(挽家2個、封紙、口切り用の小刀、封用の印鑑+朱肉、封用の糊をのせた糊板、竹べら、、、がのってる)登場。たしかにここまでそろえるのは個人ではたいへんだ。

いよいよ口切り、茶壺の封紙を小刀でじょりじょり切っていく。詰茶(薄茶になる)を茶じょうごに少しあけたとき、ふわ〜っとお茶の佳い香りがした。どのお茶をさしあげましょうか?と問いかけに、連客と相談の上「おまかせいたします。」

聞けば関東の方では茶壺に碾茶をつめてくれるお茶屋さんはないそうで、半袋も御自作なら詰茶もご自分で詰められたとか。やはり口切りする茶人の人口はへっているのだなあ。

再び封をした茶壺は拝見に。茶壺の拝見時、正客と連客の茶壺の回し方は反対になるのだが、ご亭主より「みなさん時計回りにまわしてください。」と。
なぜだろうと思っていると、壺に描かれた吉野山が、その方向に回すことによって、朝〜夕の景色にかわっていくように見えるとのこと。おお、確かに!
そこに人生を重ね合わせ、「私は今晩秋かな?」とおっしゃる。どなたかが「いえ、錦秋ですよ。」と。




IMG_4713.jpg
(懐石の焼物の焙烙。食べたあとだけど、、、、(^◇^;))



口切りの興奮さめやらぬまま炭手前。友人にもらわれたという大きな大きな(頭にかぶれそうな、羽根が中で泳ぐような)ふくべ炭斗で。炉の炭はほんとうに楽しい。ご名炭で、懐石の間中釜は湯気をしゅんしゅんあげていいぐあい、炉中の真っ赤になった炭をのぞいてみるのも楽し。香合がお約束の織部でくくり猿の形、オレンジ色の部分の色が鮮やかでかわいく、私には柿の実のように見えたよ。

懐石はさとうえまさんといわれるお若いプロの方のお料理、どれもおいしかったが、なかでも銀杏すり流しははじめて食す。なんとも印象的、心に残る味でこれはレシピをしらべてみないと!
それになんとなんと、最近はまっている古染の向付!!がぞろぞろでてくるではないか!とてもステキですごくうれしかった。こんなのコレクションできたらなあ。

主菓子は亥の子餅。



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後座。さきほどの茶壺がきれいに真行草の紐飾りをほどこされ床の間に。水指が備前(伊部)でこれで三部(織部、ふくべ、伊部)がそろう。

濃茶の茶碗が昨年三渓園でされた古稀の茶会で使われた一入の黒楽(京都在住時入手された)「不老門」で、懐かしくたなごころにのせる。

茶入は庸軒ゆかりの凡鳥棗。これも京都在住の折、縁をむすばれた庸軒流のお茶人さんにお餞別としていただかれたものなのだそうだ。

実り多い三年間を京都ですごされていたのですね。



IMG_4715.jpg



炉の季節は特に後炭が楽しみで、どれだけ炭が燃えているかどきどき。おお〜!!胴炭がほとんどほろほろの灰になっている!あの勢いはすごかったものなあ。

横浜へ帰られてからはじめてお茶の教室をひらかれたご亭主、薄茶点前はその若いお弟子さんにおまかせになる。もうすっかりリラックスしておしゃべりがはずんだ。


初座での掛け物が「遠山無限碧層々」であったが、禅語としての解釈はあれど、行っても行っても山また山、頂上をきわめたと思ったらまた向こうにさらなる山、、茶の湯の道かくの如し、ゴールはないに等しいが少しでもその先に進みたい、そういう思いで掛けられた、と。

茶道のその奥の深さ、幅の広さは私も実感している。すべて行き尽くすにはどなたの人生も短すぎるのだ。しかし飽きずにやっていける、いつまでいっても常に新しい景色がみえるから。先を行かれるA庵様のあとを追って、私もさらに遠山の山や谷にわけいって進みたいと、、そんなことを思った。



IMG_4717.jpg




一会おわって、デザートの柿と栗。
昔、茶師が壺を茶家に届けるとき、柿と栗を持参するのがしたしきたりだった名残にて。





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