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2017-08

大火鉢と主客自在の茶事〜宵の紫野・陶々舎 - 2017.01.24 Tue

年末にお招きしたお茶人さんから初釜茶事のお招きがあった。出雲とのご縁の深い方で、ここ、紫野・陶々舎とのご縁も深い。



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陶々舎(巻末に参考文献?のせました)は大徳寺・孤篷庵に近い、国籍も性別も背景も違う三人のお茶を愛する若者のシェアハウス。昭和初期の建物に一階は電灯のスイッチをぶっちぎって(^◇^;)夜にもなればろうそくの灯りを楽しむ場所。

この3〜4年ほどの間、何回ここにかよわせてもらったやら。お茶だけでなく、能や狂言のパフォーマンスもあればギャラリーにもなり、日本酒の会とか、だれかの誕生日といっては宴会をし、、、今や、年令性別国籍関係なくいろんな人たちが出入りする、茶の湯を核とした梁山泊のようなものに。




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腰掛け待合いの後にある(実は雨戸の)影向の松は、やはりここにいりびたっている^_^;(Iやん、ゴメン)日本画の若いアーティストの作。能のパフォーマンスのときにはこれを座敷側に向けて鏡板として使うのだ。

露地の灯籠や蹲居、飛び石も軽トラで運んで彼らが自分でつくりあげたもの。
そういえば、ここの露地ができる前、あるじたちが留守なのに藁灰を焼かせてもらったこともあったな。付け焼き刃の煎茶の練習をさせてもらったり、近くにきたらふらりと寄ってお茶よばれたり。(多かったのが宴会で、よう飲んだわ^_^;)

これだけ若い人たちが集まってくるのは、こういう(いわゆる茶道のややこしいしがらみがない)場所がいままでなかったことと、いろんなイベントを試行錯誤でおこない情報発信の努力もおこたらなかったことと、、、なにより三人三様のお茶への深い情熱、自由で独創的なアイデアと実行力あればこそ。
うわさを聞きつけて海外からも旅行客がふらりと立ち寄ったり泊まったりするし、茶の湯関係のビッグネームも立ち寄られるというから、これはほんますごいよ。




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枝折戸を留める輪っかが手作りの稲藁注連縄。こんなところもニヤリとする。




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席入り。
この日は夕方になると部屋の中でも吐く息が白い寒さ。酷寒のときに、茶席に手あぶりを置くことはよくあるが、ここでは待合にあった大火鉢をど〜んと茶席に。あったかい!!思わずかかえて手放したくなくなる。

連客は陶々舎のみなさんだが、ご亭主はご挨拶のあとお点前を彼らに任せなさる。客が亭主になったり、亭主が客になったり、変幻自在の茶事のはじまり。ロウソクの幻想的な灯りのもとで、不思議な感覚を味わう。




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ご亭主(男性)手作りの心づくしの懐石をいただく。昆布の出汁をとるのに1〜2日かけてくださったという。なかでも煮物椀の治部煮が熱々で、具だくさん、なんて美味しい!ああ、こういう煮物椀もありなんだとひとつ学習。

お酒も新潟の雪中梅をご用意くださった。最初冷やでいただいて、あとで熱燗をいただくが、このお酒は冷やでも美味しいが、燗になると香りが立って軽やかになり、何杯でもいけるお酒に変身するのだ。なんて美味しい、、、(*≧∪≦)

主菓子は出雲の三英堂さん(不昧公命名の「山川」「菜種の里」で有名な老舗)の三分咲きの椿の練り切りであったが、これも不昧公による「四ヶ村」の銘がある。



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中立の時には大火鉢をまた移動。この家では火鉢は貴重な暖房器具。炭を追加すると炎まで上がって、かかえている手がやけどをしそうなくらい熱くなる。炭火は、暗い中で美しく、だれでも飽きず眺めたくなるものだね。

あ、外で屋根から溶け残った雪がおちる音がした。



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後座。
床の間に一升はいる酒瓶がどん、、、と。

ああ、これは以前ここでの茶事に招かれたとき、日本酒をいれ封をして、酒の口切りやったやつだ(^◇^)
しかも花所望ときたな。

花台にご用意いただいたのはすべて枝物。どれもその枝先に小さな芽吹きが見て取れる。春を感じて、この季節、花よりもうれしい。花をいれる才能はないので申しわけないのだが、大好きな緑の実をつけたアオモジと、あと2種投げいれさせていただいた。



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よくみると、酒瓶には私の名前の名札がぶらさがっていて、あ、これでボトルキープ(^_^)vだ。

濃茶は、陶々舎の、外つ国から来た美女・Kさんの手によって練られる。
ロウソクの灯りの中で、し〜んとした静寂の中、美しいお点前は粛々とすすむ。その姿は胸にしみて私は忘れないと思う。



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ここでいろんな人たちと出会い、縁をつなぎ、楽しい時をすごさせてもらった。ご亭主とのご縁もここからはじまった。陶々舎は今年中に発展的解消をする。これからの人生の方が長い人たちだから、どんな風に発展していくのだろうか。既に三人三様の発展の萌芽はある。ここで茶事に招かれるのは、おそらく最後だろうと思うといろんな思いがよみがえり胸に迫るものがある。


ご亭主の選ばれた軸は「白玉無瑕」。まったく傷のない、完全無欠の悟りに到った心のことをいうのであろうか。これを見て「白珪尚可磨」を思い出す。完全無欠な玉でもさらに磨くように努力すべし。もともと完全でも無欠でもないわれわれなら、さらに自分を磨く努力をせねばなるまいな。


吐く息も白い、雪もよいの夜空、なんだかんだで通い慣れた孤篷庵前の道を万感の思いをかみしめつつ帰路につく。さまざまなことに感謝もしながら。




<参考文献(?!)>


暮らす旅舎「京都はお茶でできている」

昨年末出版された京都の、いろんな形のお茶の本。茶目線の京都案内でもあり、実は陶々舎の本でもあるのです。拙ブログにおいで下さる方には絶対興味ある内容になっています。是非ご一読を。


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● COMMENT ●

暖かくて心にしみるようなお茶事ですね。陶々舎からのご縁が静かに広がっているのですね。先日私もKちゃんに久しぶりにお会いしましたが、いつ見ても着物姿が美しい。
ところで炭の周りの「じょう」というのが「尉」という字だということをつい最近知りました。尉には翁の意味がありますが、白髪とか白髭のイメージから来たのでしょうか。しぇる様はご存知ですか?

そらいろつばめ様

いろいろと心に去来する物もあり、感慨深かったです。
どんな高価な道具を並べるより心に残る茶事はあるのです。
たぶん茶事その場だけでない、そこまで到るあれこれに感動の種はつまっているのでしょう。
お茶事におよびするまでの自分のしてきたことや、築いてきた人間関係やら、茶事だけでない日ごろの生き方が心に残る茶事になるかどうか決めるのだと思うと、、、、こわいこわい。

炭の尉というのは以前からそうだと聞いています。最近この尉にかかわる銘をもつ道具手に入れました。そのうちご披露します(^^)

しぇるさん、こんにちは

しぇるさんの、生活には

「茶」が欠かせませんね^^

その精神が、京の暮らしに似合っています(合って当然ではありますが)

私も、明日は久しぶりに

午前中、まるまる、自由時間があります

大原まで、久しぶりに足を延ばし

御庭を眺めながら、ゆっくり御茶を頂こうかな^^

高兄様

そうですね〜
京都での生活はお茶を中心にまわっているみたいです。
(大阪ではちゃんとオツトメオツトメ)
また今年もあちこちでちっちゃな釜かけますので、いちどのぞいてくださいませ。

大原はきっとまだ残雪があるのではないかしら。
う〜ん、私も行きたくなりました!


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