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2017-09

北宋汝窯青磁水仙盆ー台北国立故宮博物院〜東洋陶磁美術館 - 2017.01.31 Tue


   「雨過天青雲破処」


雨上がりの空、雲からのぞいた空の色、、、、青磁。

ずっと青磁の色について、雨過天青のイメージにあう青がないなあ、、、と思ってた。
国宝の砧青磁瓶ですら、どこかグリーンの色が混じっているので、雨上がりの空かなあ???と思ってた。

汝窯青磁を見た時、これだ!
これこそ「雨過天青雲破処」の色だ!と思った。青磁の青はすべてこの青に帰結する(私の中ではね)



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(2010年 東洋陶磁美術館北宋汝窯のポスター)


思えば「汝窯」という言葉にであったのは7年間やはり東洋陶磁にたまたま行って見よう〜♪と通りすがりに見ただけなんだわ。当時は「じょよう」という読み方すらわからなくて。

東洋陶磁が所有する(元・安宅コレクション)水仙盆もでていて、なんてきれいなブルーなんだろう、、、と思ったけれど知らないっておそろしい、それっきり記憶の底にしずんだまま。それが後日心惹かれてやまない汝窯青磁との初めての出会いになろうとは。




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それまで窯の場所すら特定できなかった汝窯の窯跡が河南省の清涼寺村でついに見つかったのは2000年のこと、あの展示はその後すすめられた発掘研究の成果発表の展示であったのだ。しらんうちに実に貴重なものを見ていたのだ。

で、あれから7年、今は汝窯の名はあちこちで目にとまる。今回大阪中之島・東洋陶磁美術館で台北国立故宮博物院の伝世品5つ(うち東洋陶磁所蔵1つ)、そして清朝の倣品1つ、計6つの北宋汝窯青磁水仙盆が一堂に会してお目見え。




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№1は伝世品中の最高峰といわれる「無紋水仙盆」

無紋とは貫入がほぼない、全き釉薬。その色はまさに雨過天青ブルー。どう表現したらいいのか、水色が一番ちかいような。冬の雲一つない晴れた空とはまたちがう雨雲の切れ間からのぞくすこしあやふやな水色というか。


他の4つも貫入こそあれ、微妙な差違をみせる美しい雨過天青の青。
一番のみどころは内側のふちにたまった釉薬の色だと思う。釉薬の色が一番厚くたまっているので、その「青」の色を堪能できるのだ。




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「汝窯は(北宋・960〜1127年の)宮中専用の焼物であり、瑪瑙の粉末を釉薬に加えている」と書いてあるのは南宋の記録。実際窯跡から瑪瑙のかけらも発掘されたそうだが、それが発色にどう影響しているのかは不明なのだそうだ。

7年前の展示では、窯跡から釉薬の発色を研究試作したらしき破片がたくさん展示されていたように記憶する。当時の陶工たちの努力のあとだ。それが後世どの時代も真似できなかった天青釉を生んだ。
近代のテクノロジーの進歩はすざまじいが、結局1000年前のものにはかなわないではないか、と思える。

ちなみに後世、清朝につくられた汝窯水仙盆のオマージュは、ひとつだけあったら美しいと思うだろうが、他の伝世5つとならべられるとどうしても色を失う。





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こちらは撮影OKコーナーのレプリカ。

水仙盆の画像をアップしたら、「バスタブ?」と言ったヤツ(弟)がいたので、大きさの参考に。

しかしながら、名前こそ水仙盆ながら、ほんとうは何に使われたのかよく分かっていないらしい。水仙だって夏の間は咲かないし、球根を埋めておくだけの深さもないし、水仙の水栽培なんであるんだろうか。謎だ。




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(美術館から見た堂島川)


この水仙盆を美しい物、神々しい物、として愛した清朝の乾隆帝がこの青磁のいくつかに、御製の歌を刻んでいる。漢詩なので、、、、まあ、読めないが(^_^; 裏も鏡で見えるように展示しているのはうれしい。
ちなみに水仙盆には小さな点のような目跡が6つあるので、それもお見逃しなく。




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帰りに文献(?)を買って帰る。ちょっとだけ勉強した。



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● COMMENT ●

こんにちは!東洋陶磁に行かれたのですね!いいなあ!私も何年か前、東洋陶磁と藤田美術館、いきました。何年か前、東京の三井記念日美術館?はっきり覚えていませんが安宅コレクション、見に行きました。あまりの素晴らしさに図録も購入。この後、東洋陶磁で女性の美しい俑に再会しました!この綺麗なブルーの青磁の水仙盆、覚えていますよ!本当に美しい水仙盆でした。もう一度見たくなりました。何年か前お友だちと台湾に行った時、故宮博物院も行きました。時間がなく全部見ることはできませんでしたが古代中国の文化の素晴らしさ見飽きませんね!!明日は東京近代美術館の工芸館に「近代の工藝と茶の湯Ⅱ」を見に行きます。楽しみです!この前行った村瀬治兵衛さんの初釜の時治兵衛さんが「私もいくつか作品出展しました」と言われていたので楽しみにしています。

みゅうぽっぽ様

たいていの良い展示は東京にもっていかれますが、これは規模が小さいのと東洋陶磁が伝世品を一つもっていることから大阪で開催されよかった〜と思っています。
東洋陶磁は常設展も好きなので、行くたびに見ることができるのがうれしいです。
安宅コレクションのシンボル、青花辰砂蓮花文大壺は毎回必ず見ます。
東京ならではの展示会、いろいろあっていいですね。4月の東京国博は行くつもりです〜♪

今日行って来ましたが東京国立近代美術館工芸館で「近代工芸と茶の湯Ⅱ」と題して人間国宝の方から現代の作家さんのお茶道具の展示がありました。いつも伺うお茶会の村瀬治兵衛の作品も沢山出品されていました。素晴らしい展示会でした。2/6の私のブログにアップしたので良ければ見て見てください。珍しく撮影OKでした。3月にはこの前京都で開催された楽茶碗の展示があります。そのあと東博でまたお茶のお道具の展示!楽しみです!!

みゅうぽっぽ様

なかなかよい展示だったようでなによりです。
もっと身軽なら東京美術館巡りももっとしょっちゅうしたいところですが、そういうわけにもいきません。
とりあえず春の東博にあわせてどこに行こうか検討ちうです。
暦の上では春ながら、早くほんとうの春がこないかまちどおしいですね。


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