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2023-10

市比賣神社〜ひいなまつり - 2017.03.06 Mon

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河原町五条下るに市比賣神社がある。
前々から名前だけしっていたが実は行ったことがない。




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3月3日にひいなまつりのイベントがあると聞いて、休みも重なったことだし、いそいそと。




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境内には古いお雛様がたくさん飾られていた。

ここは女人守護の神様、雛祭りはまさにふさわしいイベント。

しかし、延暦14年(795)、藤原冬嗣が垣武天皇の命により、官営市場東市・西市の守護神として創建されたのが初めなので、本来は市場の神様。




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ところが、御祭神は全て女神様なので、女性の守り神とされ、子授け、安産の御利益があるとか、歴代皇后の信仰も篤かった。(現在も「皇后陛下勅願所」)

今も湧く境内の天之真名井の水は歴代天皇の産湯に用いられたそうだ。
(そういえばNHK「京都人の秘かな愉しみ」にも水の女神様としてでてきたな、ここ)




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姫ダルマのおみくじの入れ物には祈願を書いてここにおさめる。
真っ赤でかわいい。


さて、ひいなまつりのイベントは河原町をはさんだ反対側のひと・町交流館にて開催。(参加費用2000円)



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まずはお雛様のお菓子と言えばこれよね、のひっちぎりとお抹茶をいただく。

桃挿華(ももかざし)守りもいただくが、これは結び柳と桃の枝、いずれも厄除けのお守り。
孝明天皇皇后様がこれを雛祭りの夜に風呂に浮かべて邪気払いをした、という由来があるらしい。桃の木はいろんなところで邪気を払う物としてあちこちで活躍してるな。追儺の弓も桃の木だし。



さて人雛様の着付けがメインイベントなのだが、それを待つ間、平安時代の雅な遊びのデモンストレーションを拝見。



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双六。
これは源氏物語絵巻にもでてきてたわね。駒の進め方にもいろいろ複雑なルールがあるらしく、テレビやネットのない時代、ゆっくり優雅にこれで時間を過ごしたのだろう。



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貝あわせ。
これもお雛様の紋様。


他に投扇興の体験もあった。



さて、ここで先日山科家旧別邸ではじめて聞いた衣紋がでてくる。

身分の高い方の装束、色目、着付けにたずさわたったお公家さんは山科家と高倉家。今でも両家は健在で、皇室の儀式や葵祭などの衣裳衣紋などにご活躍。




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ただし、山科、高倉流というのは男性皇族の衣紋だけをいうのだそうだ。(女性には特に流派はない)
後世。高倉家は武家の、山科家は公家の衣紋に別れたそうだが、皇室関係のお仕事は両家が協力しておこなっているとか。


で、今回衣紋を担当されるのは高倉家の衣紋道研究所で勉強されている先生方。

ふつう衣紋には、前衣紋者、後衣紋者の二人がペアで息をあわせてされるそうな。




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紐をしめたり、漆塗の板みたいに硬い帯を巻いたり、かなりの力仕事に見える。



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束帯の完成。
男性の衣裳は位によって厳密に紋様や色が定められており、これは三位のお公家さんの衣裳。
(ちなみに天皇様は黄櫨染色、桐竹鳳凰の紋様、太刀は佩かない)

袖もぱりっとうまくふくらませるのにもコツがあることを学習した。




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さて、次は女房装束。

ちなみに十二単という言葉は正式にはないそうで、唯一文献にみられるのが「平家物語」壇ノ浦の建礼門院の装束についてだけらしい。知らんかったわ。



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萌黄の単衣。

緋袴は既婚者、未婚の女性は濃き色というえび茶色の袴。



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さて、袿をどんどん衣紋されていくよ。
これは紅梅襲の色目。ほぼ白に近い紅からだんだん濃い紅色をかさねていく。五枚重ねることが多いので五つ衣(いつつぎぬ)とも。





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表(うわぎ)は紋様有り、これは三位以上の方は二重織物という二重に織られた布を使う。




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最後に唐衣(丈が短い)と裳をつけて、畳紙(たとうし・メモ帳とかお手紙とかになる))を胸に入れ、扇を持って完成!

しめて17kg!

どっこい歩けやしない。先生がおっしゃるには、女性がそれほど歩かなくてすんだ平和な時代であったのだと。




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しかし、,,重ねた色目のなんと美しいこと!

日本人でヨカッタ、、、と思うわ。




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バックスタイル。




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この姿で、会場にある雛壇に上るのは容易ではないと思ったが、モデルさんはまだ大学生、若いからちゃんとのぼらはった。偉い!



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三人官女、五人囃子(大学の雅楽部の学生さん)もそろって、人雛完成。




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そして、本来の雛祭りのルーツであるところの儀式、「天児(あまがつ)の儀」。

人がたに穢れを移して、本来はこれを焼いたり川に流したり、後世では厄払いとして寝所においたり。




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神社の方にもこれがあって、天児に厄除けをしてもらうお祓いもあった。
ちなみにこれは子供の枕元に厄除けとして飾られていた天児。




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最後に三人官女(ほんまの巫女さん)の桃の枝をかざすお神楽を見てここを後にした。



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