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2017-06

桐蔭席〜中村宗哲・諏訪蘇山姉妹席 - 2017.03.23 Thu

東山七条、豊国廟へ向かう緩やかな坂は女坂とよばれ、PRINCESS LINEと銘打った赤いバスが頻繁に走る。



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なぜならこのあたり一帯、京都女子大(京女)が占めていて、女子大生がいっぱい通るからなのだよ。先ほどの赤いバスも京女の学生の通学用。(一般人も乗れます)
若い女子ばかりで華やかなイメージだが、私見では京女は質実剛健でしっかりした賢い女子、というイメージ。

ちなみに左手にみえるのは先日オープンしたばかりのリッチなホテル、フォーシーズンズだよ。




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女坂を登り切ったところ、豊国廟の片隅に茶室がある。淡々斎指導の下、昭和4年建てられたという桐蔭席。設計は裏千家?棟梁は三代目木村清兵衛。

裏千家では、ここで釜を掛けるということは一生に一度の名誉なこと、とまで言われるくらい格式が高い茶席なのだ。だから席主は家元に近い偉い先生とか、一流の美術商とかそんなこんなで、一生ご縁がないと思っていたが、なんとこの春桐蔭席を2回も経験することになろうとは!(あと一回はまだ4月だけれど^_^;)人生なにがおこるかわからんものだ。




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ちなみに今回の席主は千家十職の塗師・中村宗哲さんと青磁の諏訪蘇山さんご姉妹。
姉妹合作の水指を4〜5年待ちで作っていただいたご縁にてのご招待。ありがたいことだ。

しかし宗哲さんは表千家、蘇山さんは武者小路を習われているので、裏千家の桐蔭席で釜をかけるに当たって裏千家の重鎮の先生がお点前をされるという裏千家リスペクト。濃茶席のお軸も玄々斎であったし。

寄付は茶席にもなる七畳の間で、待合掛けは藤村庸軒が初代宗哲にあてた消息。ふたりは仲がよかったそうで、なんども消息のやりとりがあったとか。初代宗哲は塗師ではあるが茶杓もよく削った、ということで「このまえあんたが削った茶杓はよかったで。」みたいな内容。こういう消息が家に代々伝わっているというのがすごいな。(千家十職が現代まで続いている、ということも奇跡だが)


濃茶席の席主は宗哲さん。
茶席はよく雑誌「淡交」で写真だけ見たことのある四畳半台目中柱の小間で、ここに座れる日がこようとは、、、と感動。

床の玄々斎は「子能継父業(子よく父の業を継ぐ)」。千家十職に与えられるにまさしくふさわしい一行。これは子供の頃から玄々斎に可愛がってもらっていたという8代宗哲に与えられた物。

与次郎の阿弥陀堂や宗入のかせた黒楽とかもすごいが、○代宗哲、△代宗哲、、、が次々でてくるのには圧倒される。ほとんどが注文に応じてつくられた作品なので、家にはあまり残っていないとおっしゃりながら、これである。
茶杓はさきほどの待合掛ではないが、茶杓をよく削った初代の七六歳の時の作であった。

なにより素晴らしかったのは300年の時を経てさらに深い艶を放つ初代宗哲の利休型真塗手桶水指!漆は経年でさらに透明度が上がっていると思われる。こんなん見ちゃうとね〜、、、、

仕付け棚にのっているのはご姉妹の母上、12代宗哲さんの棗。父が漆関係で交流があった方であったが惜しいことに急逝された。「ここで母が見守ってくれています。」とおっしゃった宗哲さんの言葉が印象的。



かわって明るく開放的な広間の薄茶席は蘇山さんの席。
蘇山さんは水指をお願いするにあたりいろいろお話しもさせていただいたので、なんとなく親しみがある。それでなくても明るく楽しい方だ。

こちらも母方の歴代宗哲、父方の歴代蘇山の作品がずらっと並ぶ様は圧巻。他席ではまず見ることができないであろう。それにしてもお茶道具、こんなのがほしいな、と思えば姉上の漆器、ご本人の磁器、一番上の姉上の金工となんでも姉妹でそろってしまう、というのがうらやましい話である。

こちらにもお母上の青海波蒔絵の大棗、姉上の爪紅四方盆、ご本人の栄螺青磁蓋置がそろい踏み。初代蘇山の絵高麗水指もよかった。
さすがに名人と言われた11代元斎宗哲の平等院古材の炉縁はよかったなあ。側面は古材の肌をそのまま活かし、上面のみ宇治橋蒔絵が上品。

茶杓が玄々斎、おそらく中村家におくられたものであろう、銘が「宇るし筆(漆筆)」
歌銘になっていて「茶の手前 やはらかなれや 宇るし筆 かたくなりては 人もこのまず」
漆をなりわいとするお家に贈るに励ましともいましめともとれる言葉、茶家との交流がなんともすばらしく思えた。


点心は茶道資料館担当でたん熊北店、お酒のお酌を伊住家のご次男さんにしていただきこれも恐悦至極。
かくの如く桐蔭席でびゅ〜をおえたのである。








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鍵コメ様

あれこれご返事しようと思っていたら無事解決されたのですね(^_^;。それはよろしゅうございました。
せっかくのN先生のご厚意ですから、おおいに楽しみましょう!

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鍵コメ様

印象からすると、よそのお茶会とそれほどかわらないと思います。
偉い先生方もおいででしょうが、正客にさえならなければ緊張することもありませんし、、、、
あまり構えられない方が楽しめるのではないでしょうか?


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