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2017-08

飛鳥川の源流の村・奥明日香で茶会〜田中茂雄さんの窯をたずねて - 2017.05.21 Sun

いつもお世話になっている下鴨・川口美術さんに、かねてよりお願いしていた奥明日香の陶芸家・田中茂雄さんの工房へお連れいただいた。

1時間半以内に着く予定が、トンチキなドライバー(=私)とトンチキなカーナビのせいで2時間もかかってしまい、飛鳥川の水源をたどるピクニックはお流れになってしまったのは残念であったが、、、(^_^;




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飛鳥の石舞台古墳や高松塚古墳、キトラ古墳をこえてまだ奥にはいった飛鳥川のほとりに、田中さん(李渓窯)のご自宅工房がある。なんと築250年の古民家!江戸時代のものですよ。
屋根の草がええ感じな、、、いや、驚くのはまだまだ早い。




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右手は母屋へ。
左手の白い壁の建物が、なんと田中さんが一からたてちゃったという轆轤場。
なんでもストローベイル(藁俵)工法というアメリカでおこった環境にやさしいという技術。
藁のブロックを壁にして漆喰で固めて、屋根も大工さん顔負けのものをつけた建物。よって壁の厚さは50cmもあるという。中の紹介はまたあとでね。

ちなみにここの窓は川口美術さんで購入された韓屋の木製窓がはめこんであった。よく似合う!





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ギャラリーにもなっている奥の座敷にはいってその景色に感嘆する。
正面の窓の下は、、、、





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源流に近い飛鳥川。
間断なく川のせせらぎが聞こえる。底は岩なので水も澄んでいる。

  今日もかも 明日香の川の 夕さらず かはづ鳴く瀬の さやけくあるらむ (万葉集)




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窓からの眺め。
目の前にお隣のお宅の田植えを終わった水田が見えた。





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広い古民家のあちこちに野の花が投げ入れてある。
どこも絵になる。





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器はもちろん田中さんご本人の作品。

しばらく無人で荒れ果てていた家や庭を改修したのはご本人。大工さんもビックリの改修のあとがあちこちに。
建築材料もなぜか無料で、あるいはかなり安く彼の元にあつまってくるという。
人徳やなあ。




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座敷の床の間や壁もご本人が塗られた。良い感じにひび割れているが、あとしばらくすると錆が出てもっとよい感じになるという。
大きな和紙の鯉のぼりはもともとこの家の中に残されたいたという。(一節にここに逗留した記録のある富岡鉄斎のものかも???と)




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この可動式の展示棚ももちろん手作り。

御本職は陶芸家さんなんだが、それを忘れちゃって、むしろ古民家改修プロデューサー、大工、としての腕に感心してしまう(^_^;

田中さんは井戸茶碗をはじめ高麗系の焼物がお得意だ。李渓窯というのは李朝からきているのかな。
飾ってあった作品お中に、先日東博で見た利休遺愛の井戸香炉「此世」の写しではないかと思われるくらいいいのがあった。

そういえば田中さんの井戸茶碗、さる方のお祝いとしてさしあげたら、違う方面の方から、同じく田中さんの井戸茶碗がお祝いに来たそうで、やっぱりいいものはいいのだ、と思った。





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感嘆していると、すっと冷えたお手製ジンジャーエールをだしていただく。
美味しい。




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何年かかけてあちこち改修されたが、まだまだ遊べる余地(改修の余地)がのこっている広い広い古民家は、どこを撮っても絵になる。




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作品と古民具がならぶ景色。
この立派な石柱も庭にたくさんころがった状態だったのだそうだ。他にもたくさんの石柱があり、この利用法を現在検討中らしい。




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こちらは土を篩ったりする作業場か?
屋根の軒の菊の飾は、もともと屋根瓦であったがうち捨てられていたものを活用している例。





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庭の片隅の流しに使われる水盤には「天保」年間の文字が!





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さて、さきほどのストローベイルの工房の中。
この壁の厚みがわかるだろうか。スサ入りの壁は先ほどの座敷の床の間と同じで、いずれ床の間の方もこの色になるであろうとのこと。




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ちなみにトイレも改修されていて、見所満載なのだが、自然に曲がった木を利用したタオル掛けや、この桜の木のトイレットペーパーホルダーが秀逸。





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家の中を半分歩き回って見せていただいたあとは、車で5分ほど、田中さんの窯場へピクニック。
中央にみえる煙突がそれ。





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これは二つ目の穴窯。
もちろんお手製。




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窯のまわりは野焼きをした原っぱになっていて、ここでご一緒した煎茶を嗜まれるOさんに、野点をしていただく。
煎茶の道具(特に提籃!が垂涎)がちまちまとかわいい。





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このあたりは、山に抱かれた自然豊かな土地。ときに猪や鹿の獣害はあるらしいが、野の花がとても大きく、たくさんならぶととてもきれいだ。
これは野焼きのあとに顔を出してきたマムシ草?勢いのある緑がきれいだ。





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Oさんがご準備くださったお菓子も美しい。




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田中さんの急須も登場。これ少し蓋の位置に角度がついていて面白い。

こんな山に囲まれた緑豊かな場所で、野生の藤の花も遠くに咲いて、鶯の声がひっきりなしに聞こえる、、、こんなすてきなお茶会に参加できた喜びはこの上ない。

田中さんの白磁系の盤の小さな模様になっている杏の実、その杏の木もここからはよく見えた。実は鳥と競争で収穫するのだという。




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さて、ピクニックのあとは、奥様お手製の山菜料理のランチだ!
器はもちろん田中さんの。




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山菜入りのおにぎりは少しほろ苦くて美味しい。
陶箱に詰めたお料理も近くの山野でとれたもの。蓬の若芽の天ぷらの美味しいこと。
うちの近所では蓬にはなにがくっついているかわからないので食用にはできないが、こんな広々とした山野で採れたものは鮮度も違う。




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そら豆の飛竜頭。




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あまりに美味しくて、食べてしまったあとにちょっとだけ残ったのを撮ったイタドリのナムル。
イタドリといえば雑草といってもいいのだが、一晩水でさらして醤油と味醂と胡麻油だけ、、、ってなんてシンプルでなんて美味しい!
こんどイタドリ見つけたら絶対作ってみなければ!





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さて、昼食後はわたくしの出番。
弘法市でお安くもとめた古いバスケットにつめこんだのは、、、、





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アルコールランプのミニ炉に薄茶の道具一式。
これかなりはいるよ。




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飛鳥川のせせらぎを背景に、こんな茶席にしてみた。
お茶碗は、以前もとめた田中さんの椀なりのを持参、それにこちらでご用意いただいた作品を使い放題。お水はこちらの井戸の明日香の水。自画自賛ではないがとてもお茶がおいしかった。水と器の手柄ですね。





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最後にいよいよ母屋を拝見。
こちらもええ〜?!これご自分でしはったの!?とビックリするようなプロ級改修が。





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右手の大きな水屋箪笥は高野山のあるお寺から拝領したモノとか。この大物、分解して運べるんですって!
中には田中さんの作品がずらりと。時にご自分たちで使ったり、ギャラリーにだしたりとか。




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もともとあった現役のおくどさんに、ピザ屋さんからもらったピザ窯をくっつける離れ業も、すごい。

流しが丸い小さなタイルが貼り付けてあって、これは昭和のテイストだから以前からのもの?と思いきや、これも手作りだったとは!田中さん、ほんとうに本職は陶芸家ですか??





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地下に案内してもらうと、飛鳥川を眼前に見ながら入浴できる風呂があったり(これはモダン、でも御自作)、江戸時代の石組みが残る雑穀搗き部屋は、いずれなにかに利用したいと構想をねっておられるとか。
すごいなあ。

しかし、、、ここのお風呂は是非いちどつかりたいものだ!





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薪ストーブのある土間には、木を選んで腐りにくい材で裏打ちした朝鮮風の板張り床は、良い色に変化してもう何十年も使っているように見えるが、ここ数年のものと聞いてまた驚く。

この土間にて、(またまた!)田中さんお手製のケーキ(ナッツケーキ、いちごとココナツのローケーキ)を。
ほんまにしつこいけど、本職は一体、、、???





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ここのお蔵にしばし閉じ込められていた(脱走するので)猫ちゃんも最後にはでてきて、すりすりごろごろ、相手をしてくれた。田中さんのお膝でくつろぐこーちゃん。

明日香は野草も大きいが、猫も大きい(^◇^;)



このすばらしき1日、田中さん、こんなすてきな機会をくださった川口美術さんに深く感謝。
明日香、ええところです。

是非是非再訪したいものです。(今度は入浴グッズ持って行くし)
それから田中さんは大工さんではなく、本業は陶芸家であることをくりかえし喚起しておきますね〜。




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