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2017-10

光琳乾山忌茶会2017 - 2017.06.04 Sun

前夜の雷雨にすっかり洗い流された空が美しい朝の奥嵯峨・広沢池。



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この爽やかな1日、今年で3回目の参席になるMOA美術館主催平安郷の光琳乾山忌茶会にいざ。

ちなみに光琳、乾山の兄弟は約30年の時をへだてて同じ6月2日に亡くなったのです。




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約3万坪もの土地を有する平安郷、枝垂れ桜の頃には一般公開もあります。中の移動はマイクロバスにて。(それほど広大なのよ)

ただ、今年は作戦まちがえました。
昨年は30分早く行って、一番混み合う中の茶屋を一番にすませて昼前には全部回れたのですが、今年は出遅れたのと、上の茶屋か下の茶屋がすいてますよ〜の甘言(?)にだまされて(?)一番人気の中の茶屋を最後にしたところ終わったのが3時過ぎに。
来年への教訓。早めにいってまずは一番に中の茶屋をめざす!




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で、最初に行った下の茶屋。
ここは教団施設の中にある茶室で,京都美術青年会主宰。

寄付の「謝茶」は淡々斎の筆。
裏千家の老分でもあったキンシ正宗の社長から、代々伝わる清厳和尚の「謝茶」の扁額だったか?軸だったか?譲り受けたのを喜んで御礼にそれに似せて書いた物とか。漢詩の部分なんか途中で点々になって省略されているところが洒脱な淡々斎らしく。

管耳付の砧青磁は耳がでかすぎて、ややバランスが悪く、国宝級(萬聲とか)ほどではないが、見るたびに微妙に変化する色はやはり美しい。花はそれに負けない大山蓮華。

薄器が町棗(町方の無名の塗師によってつくられた町衆の棗)で紫陽花の蒔絵であったが、この紫陽花、花弁が五枚なのがなんともご愛敬。宗旦在判。

主茶碗が、この茶会のために依頼して、4月に焼き上がったばかりという当代楽さんの焼貫。この茶碗は掌へのなじみもよく縁もなめらか。あの唇が切れそうなアバンギャルド時代をへて、古典への回帰、でも肌はしっかりあの焼貫、という新しい境地の作品に思えました。

替えの斗々屋がまた渋くて青みがかった色がよくて、、、、しびれる。



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次にバスで上の茶屋へ移動。

シロツメクサの絨毯が美しく、風が幔幕やテントを激しくはためかせて、まさに「青嵐」とはこのことじゃのう。




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こちらはMOA美術館席。

寄付で今年も赤坂・塩野の浮島みたいな餡カステラみたいなお菓子をいただいく。翠のグレデーションの美しいお菓子でした。銘「新緑」

こちらには光悦の消息。蓮の花をくれてありがとうの礼状。送り主はどんな花入れにいれて持って行ったのか、光悦はどんな花器にどういけたのか、イマジネーションがひろがるわ。

菓子器が光琳・乾山風、草花の蒔絵の三段重箱。まさにこの茶会にふさわしい。




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本席は永徳のお父さん、狩野松栄の広沢池図。まさにこの地にぴったり。
聚光院の松栄・永徳合作の襖絵は(公開は終了)迫力あったが、永徳にくらべるとやはりおとなしい感じ。
この絵では池の畔に旅人とかの人物の姿もあった。広沢池は当時も今とそれほど姿は変わらなかったのだろうか。




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京都の武家旧家伝来の砂張の釣舟にいれたれた白いシラン、縞葦、そして蔓性の馬の鈴草(これの名前も昨年か一昨年、ここで知ったっけ)が実に涼しげに感じよくさがっているのがステキでした。

茶器が、寸胴で大きめ、見た目挽家といったほうがいいような千鳥蒔絵茶器。時代が室町で、まだ利休が棗の寸法や形を定める以前のもの、と聞いてなるほどと納得。




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主茶碗が彫三島。銘「残雪」
いわゆる三島より時代が下って、日本からの注文で作られた粉青。東博で同じようなのを見たことがあるわ。けっこう好きなタイプ。

替茶碗が仁清の錆絵染付。これもきらびやかでなくて、渋いタイプの仁清。
銘が「さが野」、箱書きが、最近亡くなられた林屋晴三先生のもの。追悼の思いをこめて、しかも場所は奥嵯峨、これ以上ぴったりの茶碗はなかろうと。

茶杓は一翁宗守、銘も「清滝(嵯峨野の地名)」。




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マイクロバスで、最終にして最大の目的地中の茶屋へ。
このすがすがしい景色もなんとご馳走であろうか。暑くもなく,寒くもなく。




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この季節、毎年アザミの花が綺麗だな、とここで思う。




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中の茶屋第2待合。実はここで2時間近く待つという、、、、(>_<)ゞ




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やっと順番が来て、ようやく第1待合へ。
ここはいくら待たされても大丈夫、なにしろ広沢池に面するテントが待合なので、景色を見ていれば飽きることはないの。




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昨夜の雨で水はやや濁っているものの、水面をいく水鳥のつがいや大きなアオサギなど、見ながら風にふかれるのもすてきなもの。

さて、中の茶屋は毎年名だたる茶の湯の名品所蔵の美術館がかけはる。
一昨年は根津美術館、昨年は正木美術館、そして今年は永青文庫!細川家のお宝お宝♪

今は東博の「茶の湯」展にエース級のものは出張中だが、それでも逸品の数々。




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寄付がお父ちゃん、(古今伝授の)細川幽斎の待七夕の和歌の短冊なら、菓子席では息子の三斎の元和四年の御道具附(茶会の道具の記録)

よく見ると水指・芋頭、茶杓・利休、、、にまじって茶入・中山!
かの有名な三斎のエピソード付きの中山肩衝であるな。なんか感激。

(かつて幽斎から三斎へ伝わった肩衝、三斎は安国寺恵瓊にこれをゆずる。ゆえに安国寺肩衝とも。関ヶ原後に転々として津田秀政の手へ。ある日彼の茶会に招かれた三斎はこの茶入に思いもかけず再会、「佐夜の中山」と言い捨ててこの茶入を持って帰ってしまう。なんて乱暴な(^◇^;)、、、後日金200枚を送ったそうな。西行の「年たけて また越ゆべしと 思いきや いのちなりけり 佐夜の中山」、このような名器には2度とお目にかかれないという気持ちで持ち帰ったのだ、という逸話。ゆえに中山肩衝と)




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(孤篷庵のご住職様と、遠州流の堀江先生とごいっしょの席だった♪)




小間の床には三斎作の竹二重切花入にすがすがしい夏椿。錆の出た床の壁によく映る。

茶入は中興名物瀬戸肩衝「塞(こしじ)」。
でかくて無骨。お手をふれないように、とのことだったが、孤篷庵様が特権で(?)手にとって見てはったので、横からのぞいて全方向が拝めたのがよろしゅうございましたわ。見る向きで景色が違うのがよくわかったし。


茶杓が、同時代を生き、堺へ下る利休をともに見送った織部の作。銘「さかひ(逆樋か?)」

茶碗が、利休所持であった柿の蔕。
もう、これは激渋で、激渋で、、、なんぼ渋好みでもちょっと私の手にはおえませんわ。

実際に濃茶を点てられた茶碗が、これまた教科書的な正しい端反りの熊川ですてき。拝見する前に回収されてしまいましたが〜〜(-_-#)




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(聚洸さん 「翠水」 美しく美味しい食べる宝石でありました)



でも意外や、一番印象深かったのは、ひからびた利休作の竹の蓋置。
少し壁面がカーブした,小さい、枯れて黒っぽく変色した蓋置。
おそらく利休が作って使った青竹の蓋置を、三斎は大事にもってかえったのだろう。挽家まで作って大事に大事にしたのだろう。師を尊敬し、その弟子であることを誇りに思いつつ。

これはなんだろう、、、見た目のひからび具合と、形見にと大事にするその心情は、赤子をもった親が大事にする「臍の緒」に通じるような気がするのですが。

最後に、濃茶をいただいた茶碗が細川家の現当主、細川護煕さん作の井戸茶碗であったのはツボであったわ。




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最後に嵐山吉兆の点心をやっとこさいただいて帰路につきました。

青嵐の中、よきものをたくさん愛でられた1日であったこと。



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