fc2ブログ
topimage

2023-12

天岩戸のカミあそび〜岩戸山2017 - 2017.07.15 Sat

14日は宵々々山であるが、日が暮れるとすでにたくさんの人出となる。
ここ数年毎年岩戸山で14日におこなわれる舞楽奉納・天岩戸のカミあそびに昨年に続き今年もやってきた。




P1120424.jpg





17時と18時の二回。18時の回になると日もだいぶん落ちて、少し涼しさを感じる。
山の懸物の説明など聞きながら、始まりを待つのもそれほど苦にならない夕暮れ時。





P1120426.jpg





ここは木乃婦のご町内だから、木乃婦のご隠居さんがご挨拶に。

ご存じかと思うが、岩戸山は天の岩戸伝説をテーマにしているので、ご神体は(岩戸に雲隠れした)天照大神、(天の岩戸をこじ開けた)手力男尊(タヂカラノオ)、(雲隠れの原因を作った素戔嗚尊とその姉アマテラスの父)伊弉諾尊(イザナギ)。
昨年も思ったが、なぜ岩戸をこじあける契機をつくった最大の功労者・天宇受賣命(アメノウズメ)が祀られていないのだろう???






P7140007.jpg




篠笛・玲月流流祖森田 玲さん(ちなみにこの奉納曲の作曲者)
篠笛・鉦・南部香織さん(森田さんの奥様)
太鼓・植木陽史さん











一度聞くとしばらく頭の中をぐるぐる回りそうなお神楽だわ。




P1120434.jpg





観世流シテ方林宗家の若、林宗一郎さん

今年は天宇受賣命のお神楽だけでなく、伊弉諾尊の国生み伝説の仕舞も新たに。
手にする矛は「天沼矛(あめのぬぼこ)」




P7140020.jpg




この矛で天の浮き橋に立ち、混沌とした大地をかき混ぜる場面。
したたりおちた雫からできた島がおのころ島。

ここから伊弉諾尊、伊弉冉尊(いざなみ)の国生みがはじまる。





P1120439.jpg





この矛を天の御柱(みはしら)として、まわりながら「あなにやし えをとこを」「あなにやし えをとめを」
先に女神の伊弉冉尊(いざなみ)が「あら、いい男」と言っちゃったので、蛭子しか生まれなかった。
しきりなおして「あなにやし えをとめを」と先に伊弉諾尊が言ったので、次々と国が生まれ大八洲(おおやしま)になったという神話をなぞる。





P1120440.jpg




ついで天宇受賣命の神楽舞。




P1120442.jpg




さきほどの軽妙なお神楽にあわせて舞う姿は、岩戸山というふさわしい舞台でますますすばらしく、能楽師の舞をこんな近距離で眺められる機会もまたとないと思われ、今年も来てよかった、と思うのである。





P1120446.jpg





昨年は能面をつけて舞われたが今年は直面(ひためん・面なし)、でイケメンとか言って、木乃婦のご隠居が笑いをとっておられました(^_^;)




P1120455.jpg





お開きになるころには、黄昏時になっていた。
せっかくだから岩戸山にのぼってみよう。




P1120448.jpg




ここの登山券をかつてある事情でたくさん所持していたことがあり、祗園祭のたびによく登らせてもらった。今は持っていないけど。




P1120452.jpg




お、木乃婦の御献燈。




P1120454.jpg




装飾品のお飾り所になっているTHE TERMINAL Kyotoでポスターを見る。
知り合いのN君撮影のものらしい。ええアングルやなあ。来年はこのポジションねらうか。





P1120525.jpg




最後に、森田さんも林さんもご隠居もさかんに宣伝されていた、岩戸山だけの生粽(食べられる)を買って帰る。木乃婦さん作。ほのかな甘みが美味しゅうございました。




関連記事

● COMMENT ●

しぇるさん、毎日お暑いですね!!祇園祭りのお能の方々の古事記のお神楽があるなんて知りませんでした!!日本の神話もなかなか面白いですよね!!私も去年、古事記、色んな神話の本読みました!面白かったです!ただ、神様の名前が長過ぎて誰が誰だかわからなくなりました。蛭子は海に流されてその蛭子が西宮に流れ着きえびすさんになったそうですよ!!

みゅうぽっぽ様

カミあそびは比較的新しいイベントだと思います。
お能に興味がなければ情報にひっかかることは少ないかも知れませんね。
ちなみにヒルコ=エビスと考えるようになったのは室町以降のことらしいです。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/885-f5bbe3a4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

前祭・宵々々山点描2017 «  | BLOG TOP |  » 前祭・山鉾曳き初め2017〜船鉾・岩戸山

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (393)
茶事(亭主) (84)
茶事(客) (175)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (109)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (32)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (144)
奈良散歩 (132)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (11)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (5)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR