西行庵観月茶会2017 - 2017.09.18 Mon
真葛が原の西行庵にて観月の茶会へ。

しかし!
台風近畿直撃の予報のたった前夜にて雨模様、残念ながら月は見えず。雨で濡れた石塀小路を行く。
西行庵、待合の小間には狸(逆さまに読むと砧)の画賛。
狸だけでなく、西行庵の影の主さん、猫の在中庵さまも待合におでまし、暗い夜にとけこむほぼ黒猫のサビ猫さま。
今回は母屋の浄妙庵にて濃茶をいただく。
お客さまは5名でとてもゆったり、しっとり、宵の暗さを蝋燭の燈下にて楽しむことができました。
遠州流の台子棚という千家系ではみたことのないような珍しい棚を使われました。一見台子のように見えて天板も地板もないという、、、象牙の仕覆掛けはカスタマイズされたそうで。
蝋燭の火はなんともこころもとなく、それでいて懐かしく、そんな中に映える白い白萩茶碗、むしろ粉引に見えて愛でてしまう。
庸軒の茶杓の銘は『手長』、茶入が聞か猿なるほど。本席の軸はしのだのもりのうらみくずの葉、、、ならぬお狐さん。猫・猿・狐がそろいましたね〜。
しかしこのごろ庸軒ブーム、来ているのか?あちこちで庸軒はやりだぞ(私も含め)。これはいい風潮だわ。
一碗2名分と丁寧に三碗もたてていただきました。
濃茶が練られる間、別室にて笙が奏でられ、嵐の前の静けさに庭ですだく虫の音と相和して、平安貴族もかくやと思われるような、ちょっと夢見心地のひとときでした。
濃茶のあとは西院の会席料理せんしょうさんの点心をいただきながら、笙を演奏された浄土宗西山派S寺のご住職をまじえて、笙のお話しなどを聞く。(まだお若いご住職、実は以前から知り合いで、自分たちの茶会でも笙を演奏していただいたことあり(^_^;)
(敷物もくずの葉!)
笙の音は天の音、鳳凰の鳴き声とも。
ここ、西行庵の若奥様がキリシタン(^_^;でパイプオルガン奏者でもいらっしゃるので、音の強弱を別にすれば笙の音は楽器の構造から言っても、宗教的なことからいってもパイプオルガンにとても似ていると思いました。
そうそう、キリシタンでおもいだしたけれど、ここの小間、皆如庵は最後まで棄教しなかった高山右近ゆかりとお聞きしていたが、せんだって小豆島でおこなわれた高山右近祭に庵主さまが献茶なされたよし。
雅楽の音楽理論とかは全くの門外漢なので、全然わからないのだけれど、今回の演奏は秋に奏でられる音色だそう。いままで聞いたことのある笙の曲とはすこし雰囲気が違うような。
ご住職はとてもお声がよろしいので、話題に後白河院がでてきたところで、後白河の愛した今様を一曲お歌いいただきました。西行と月にちなんで、西行さんの思い人、待賢門院璋子さま(後鳥羽帝中宮、崇徳、後白河の母)を思って歌った歌、、、
弓張りの 月に外れて見し影の やさしかりしは いつか忘れん
朗々とした歌は蝋燭の火の仄かな火影できくといやがうえにも雰囲気満点で、またしてもしばし平安貴族になったような気がしたのでした。
帰り、明日来る台風がウソのような虫の音だけが聞こえる静かな夜で、唯一月が見られなかった、、、と思っていたら、、、ああ、こちらで拝見できました+゚。*(*´∀`*)*。゚+
皆如庵の円相床!
(皆如庵:道安囲い、円相床といろいろみどころの多い茶室)
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● COMMENT ●
高兄様
数寄者というよりスキモノの集まりだったかもしれません。
嵐を背負っても茶会に出かける人たちを酔狂ともよぶ、、、、そんな集まりで違和感なく御同類にかこまれてしあわせでした。
嵐を背負っても茶会に出かける人たちを酔狂ともよぶ、、、、そんな集まりで違和感なく御同類にかこまれてしあわせでした。
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やはり、そこは
数寄者の集まり^^
流行りが、あって、至極当然な世界
って、良く知らない私が云うのも何ですが^^;
茶会、昨夜でなくて良かったですね
昨夜は、まさに荒天でございましたね><