海の見える待合の(観月)茶会 - 2017.10.09 Mon

今回お招きいただいた茶会の腰掛け待合いは、、、、なんと瀬戸内の海を見わたすこの景色であった。
某Y流のお家元の出張お稽古場がここなのである。今宵は観月茶会と称してお弟子さんたちによる茶会が。
残念ながら雲におおわれて、月は見えなくとも、とてもすてきな茶会であった。
(雲火焼の花器)
場所は赤穂、海に面する小高い丘の上に立つ桃井ミュージアム、かつて赤穂で生まれ廃れていった雲火焼をされた館主のプライベートミュージアムである。元はお父上の経営される会社の寮であったとか、そのロケーションはすばらしいすぎるのである。
テラス庭ではあちこちに蝋燭の火がいれられる。この眺めだけでもすばらしいが、、、
庭園のあちらこちら、さりげなく館主のセンスがひかる室礼がみられるのである。
これは煙草盆と蹲居と考えてよいのであろうか。
全部を撮影できなかったのが悔やまれるくらい。
テラスになんだか竹がたくさんはえているな、、、と思ったら、一本一本花器に据えられた竹であった。石のテーブルから生えているがごとき薄や萩や、秋の草花の数々、これも館主の手になる物だった。
濃茶席はロビーの一画を上手にしきって作られた四畳半、床柱もちゃんとある。ロールカーテンをおろせば閉めきることもできるスグレモノの茶室!
後見におでましになったのはY流の当代のお家元。お菓子は末富さんの兎きんとんで、なんとこれを70個!お家元自らが運んでこられたのだそうだΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
すごい!(重かっただろうなあ、、)
お道具も素晴らしい物がたくさん出ていたが、これらはすべて館主のお家の所蔵品なのだそうだ。それもすごい!
そろそろ庭の燈火が美しく見える頃、月は見えねど雰囲気満点。
薄茶席は庭のテラスで立礼にて。
こちらの流派の立礼卓はコンパクトで使い勝手がよさそう。
これも末富さんのお干菓子。(こちらは日持ちするので配達ね、きっと)
肉桂風味の栗のお菓子が美味しい。
やさしい海風に吹かれながら、庭にすだく虫の音を聞きながら、、、ゆったりといただくお茶、あわただしい日常をすっかり忘れてこの雰囲気にひたる。
そしてそして、薄茶のあとは茶友の仕舞と、、、なんと鼓、そしてプロの能楽師のお謡い。
最高の舞台でよきものを拝見した。「髙砂」のキリは私もちょっと謡えるので唱和す。
点心でこのあと今期初の松茸土瓶蒸し!を食す。
久々に酒もきこしめす。
この色漆の季節にぴったりのお盆も、ここの館主コレクションなのだそうだ。どれだけの数寄者でいらっしゃるのか。
ロビーにはこちらも復興なった赤穂緞通のデモ機が。
そう、、、垂涎の赤穂緞通。
これこれ↓(これは古いものだが)
赤穂は義士や塩味饅頭だけでなく、いろいろあるのだなあ。関西弁の西端でもある(^_^;
お開きのあとも多くのお客様が残られてテラスで二次会。
なんとここでもざっくばらんなお家元さま、さしつさされつお隣でツーショットを撮るなどという我が流派では絶対あり得んシチュエーションを楽しんだのである。
さすがに赤穂は遠く、帰り着いたら午前様であったが、こんな楽しいすばらしい茶会なら来年もまた是非よんでいただきたい!
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