国宝展・第I期〜京都国立博物館 - 2017.10.15 Sun
中に入るのに行列とか、中も黒山のひとだかりとか、いろいろ聞いててびびっていたのだが、、、、

平日朝、雨のおかげか、中へ入るには待ち時間ゼロであった京都国立博物館・国宝展。
それでも中はけっこうごったがえす。全部が国宝だもんな〜、、、
一番人気は二階の雪舟コーナー。
入場したら(最初の展示室の)3F、2Fはとばして一番に1Fの陶磁コーナーへ。ここまでくると人混みも少しは緩和される。
まずは志野の「卯花牆」、数年前東京の三井記念美術館で見たやつ〜♪
吉州窯玳皮天目、相国寺蔵、不昧公が一時所蔵、これは本ではよく見るが、実物ははじめて。内側のなんともいえない複雑微妙な色あいがすばらしい。
砧青磁花入「萬聲」、東洋陶磁で「千聲」と今回もでている飛青磁花入の三つそろい踏みをみた〜♪
やっぱりでかい、、、というか存在感ありすぎ。これにつりあう花があるのだろうか。
、、、、というと、一回か二回見ているものがかなりあるわけだ。
しかしそこはまあ、一堂に会する、というところに価値があるのだわ(きっと)
ここまで茶の湯関係のものをさっさと見たので、あとは余裕で(?)見ていく。
中宮寺の天寿国繍帳の実物ははじめてかもしれない。これのオリジナルはかなり大きな天幕のようなものだったといわれ、使われた糸や染料、紋様の断片を分析してCGで復元するというNHKの番組があったが、あれはすごかった。これ一枚で天寿国という宇宙がひろがる。
獅子狩紋錦のオリジナルも初めて見たぞ。仕覆によく使われるアレのオリジナル、法隆寺蔵。あの円形の紋様が実は大きくて、直径40cmくらいあるとは知らなかった。狩人はペルシャ系の顔、狩られる獅子もはっきり。よくこれだけ錦が残ったものだと感心する。
信貴山縁起絵巻・山崎長者巻も昨年奈良国立博物館で見た〜♪
三期全部見てやっと全巻見られる仕組みがなんとも(^_^;
平安鎌倉初期の「病草子」は当時の庶民の姿をよく写しているというが、歯槽膿漏とか、二形(ふたなり、androgynus、半陰陽)とか、まあ、考えればあたりまえだが、この時代からあったのだなあ。
千代姫(家光長女)三歳の時に作られた有名な初音の調度も、どこかで見たとおもうのだが、これだけ全パーツ、そろってみたのははじめてかも。徳川幕府の威信をかけた蒔絵の最高峰やもんね〜。でも実際にこれ、使われたのだろうか?ほとんど傷みないし。
国宝展のトップを飾る№1にあてられたのは、かくもうるわしい薬師寺「吉祥天像」。この絵は中学のとき愛読していた「少年少女世界文学全集・日本編」の表紙であって、印象深い絵画、ここで本物にお目にかかれるとは感激。
国宝指定第1号、平安時代の「普賢菩薩像」。
あやうく廃仏毀釈で海外にうっぱらわれる所を救われ、国宝第一号となったのだそうだ。普賢菩薩の白い肌と白象の白い肌は呼応し、天から降る宝相華が美しい、たしかに心に残る仏画だ。
先だって根津で、「ほとけを支える」展で、仏像が足の下にしくものにスポットライトをあてた展示をみたばかりで、どうしても足元に目が行くようになってしまった。だからよけいに面白い。
宗達、光琳、抱一のそろい踏みを最近みたところの「風神雷神(宗達)」もでてたが、これは他の絵画も見事なので、ちょっとうもれがち。
さて、人だかりの雪舟コーナーへ突入。
これも最近「禅」展で見た、「慧可断臂図」に再会。達磨の弟子になるために腕を切ってその覚悟をしめしたのが題材。
その中でも一番人気はやはり記念切手の図柄にもなった「冬山水図」。真ん中に縦に走る線が途中で消えていく、、、これは一体何なのだろう、、、と中学の頃から思っていた。巨岩壁の輪郭だと聞いてもなお、不可思議な線に魅力を覚える。ただものではない、雪舟。(ちなみに郷里は同郷なのよん。備前)
先日担い茶屋を北野天満宮で復活使用された太田先生が、この絵を見て担い茶屋の使い方を研究をしたという狩野秀頼「高雄観楓図屏風」。室町桃山の風俗が描かれている中、確かに担い茶屋でお湯を茶碗にそそいでいる男がいるわ。
あと教科書によくでてくる僧形八幡の座像とか、茶道検定によくでてくる「板渡しの墨蹟(無準師範)」とか古林清茂の「月林・道号」とか、これもあれも、あれもこれも、見て感動で、、、見過ぎて若干げっぷでそう、、、、(^_^;
全部でIV期にわたり、それぞれにその期しかでない物もあって、やっぱり全期通しでいかなあかんかな。とりあえずII期の龍光院曜変天目は見んとな。
体力つけとかな。特に天目はきっと大勢がおしかけると思うんだ。
で、全期はいってる3000円のぶっとい厚い図録を買ってしまったという、、、、
このあとこれをぶらさげて買い物に行くのはしんどかったよ。でもお家で確かめながら楽しめるのでやはり欲しい。
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