fc2ブログ
topimage

2023-10

国宝展・第I期〜京都国立博物館 - 2017.10.15 Sun

中に入るのに行列とか、中も黒山のひとだかりとか、いろいろ聞いててびびっていたのだが、、、、




DSC01404.jpg




平日朝、雨のおかげか、中へ入るには待ち時間ゼロであった京都国立博物館・国宝展。
それでも中はけっこうごったがえす。全部が国宝だもんな〜、、、
一番人気は二階の雪舟コーナー。

入場したら(最初の展示室の)3F、2Fはとばして一番に1Fの陶磁コーナーへ。ここまでくると人混みも少しは緩和される。

まずは志野の「卯花牆」、数年前東京の三井記念美術館で見たやつ〜♪
吉州窯玳皮天目、相国寺蔵、不昧公が一時所蔵、これは本ではよく見るが、実物ははじめて。内側のなんともいえない複雑微妙な色あいがすばらしい。
砧青磁花入「萬聲」、東洋陶磁で「千聲」と今回もでている飛青磁花入の三つそろい踏みをみた〜♪
やっぱりでかい、、、というか存在感ありすぎ。これにつりあう花があるのだろうか。

、、、、というと、一回か二回見ているものがかなりあるわけだ。
しかしそこはまあ、一堂に会する、というところに価値があるのだわ(きっと)




DSC01405.jpg




ここまで茶の湯関係のものをさっさと見たので、あとは余裕で(?)見ていく。

中宮寺の天寿国繍帳の実物ははじめてかもしれない。これのオリジナルはかなり大きな天幕のようなものだったといわれ、使われた糸や染料、紋様の断片を分析してCGで復元するというNHKの番組があったが、あれはすごかった。これ一枚で天寿国という宇宙がひろがる。

獅子狩紋錦のオリジナルも初めて見たぞ。仕覆によく使われるアレのオリジナル、法隆寺蔵。あの円形の紋様が実は大きくて、直径40cmくらいあるとは知らなかった。狩人はペルシャ系の顔、狩られる獅子もはっきり。よくこれだけ錦が残ったものだと感心する。

信貴山縁起絵巻・山崎長者巻も昨年奈良国立博物館で見た〜♪
三期全部見てやっと全巻見られる仕組みがなんとも(^_^;

平安鎌倉初期の「病草子」は当時の庶民の姿をよく写しているというが、歯槽膿漏とか、二形(ふたなり、androgynus、半陰陽)とか、まあ、考えればあたりまえだが、この時代からあったのだなあ。




DSC01412.jpg




千代姫(家光長女)三歳の時に作られた有名な初音の調度も、どこかで見たとおもうのだが、これだけ全パーツ、そろってみたのははじめてかも。徳川幕府の威信をかけた蒔絵の最高峰やもんね〜。でも実際にこれ、使われたのだろうか?ほとんど傷みないし。

国宝展のトップを飾る№1にあてられたのは、かくもうるわしい薬師寺「吉祥天像」。この絵は中学のとき愛読していた「少年少女世界文学全集・日本編」の表紙であって、印象深い絵画、ここで本物にお目にかかれるとは感激。

国宝指定第1号、平安時代の「普賢菩薩像」。
あやうく廃仏毀釈で海外にうっぱらわれる所を救われ、国宝第一号となったのだそうだ。普賢菩薩の白い肌と白象の白い肌は呼応し、天から降る宝相華が美しい、たしかに心に残る仏画だ。

先だって根津で、「ほとけを支える」展で、仏像が足の下にしくものにスポットライトをあてた展示をみたばかりで、どうしても足元に目が行くようになってしまった。だからよけいに面白い。




IMG_9116.jpg



宗達、光琳、抱一のそろい踏みを最近みたところの「風神雷神(宗達)」もでてたが、これは他の絵画も見事なので、ちょっとうもれがち。

さて、人だかりの雪舟コーナーへ突入。
これも最近「禅」展で見た、「慧可断臂図」に再会。達磨の弟子になるために腕を切ってその覚悟をしめしたのが題材。
その中でも一番人気はやはり記念切手の図柄にもなった「冬山水図」。真ん中に縦に走る線が途中で消えていく、、、これは一体何なのだろう、、、と中学の頃から思っていた。巨岩壁の輪郭だと聞いてもなお、不可思議な線に魅力を覚える。ただものではない、雪舟。(ちなみに郷里は同郷なのよん。備前)

先日担い茶屋を北野天満宮で復活使用された太田先生が、この絵を見て担い茶屋の使い方を研究をしたという狩野秀頼「高雄観楓図屏風」。室町桃山の風俗が描かれている中、確かに担い茶屋でお湯を茶碗にそそいでいる男がいるわ。

あと教科書によくでてくる僧形八幡の座像とか、茶道検定によくでてくる「板渡しの墨蹟(無準師範)」とか古林清茂の「月林・道号」とか、これもあれも、あれもこれも、見て感動で、、、見過ぎて若干げっぷでそう、、、、(^_^;

全部でIV期にわたり、それぞれにその期しかでない物もあって、やっぱり全期通しでいかなあかんかな。とりあえずII期の龍光院曜変天目は見んとな。
体力つけとかな。特に天目はきっと大勢がおしかけると思うんだ。



IMG_9117.jpg




で、全期はいってる3000円のぶっとい厚い図録を買ってしまったという、、、、
このあとこれをぶらさげて買い物に行くのはしんどかったよ。でもお家で確かめながら楽しめるのでやはり欲しい。




関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/932-d6997d04
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

島原角屋〜秋期鑑賞会 «  | BLOG TOP |  » 大覚寺舟遊び茶会

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (385)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (172)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (29)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (129)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (10)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR