金毛茶会〜高台寺 - 2017.10.22 Sun
今年の10月はすかっと晴れた日があまりなくて、しょぼしょぼ雨の日ばかり。
この日もお茶会だというのに朝からしとしと、しとしと、、、

場所は高台寺。
洛陽ライオンズ倶楽部の毎年一回の茶会である。
金毛=獅子=ライオンだもんね〜。
数年前から老松の、、というより弘道館の太田先生が担当されることになり、昨年は渉成園だったかな。昨年は行けなかったので、今年は是非に。
本席が混み合っていたので、まずは香席から。
志野流の組香である。
30人以上席入りしてどうやって聞香、組香をするのか疑問であったが、そこはプロですわ。最初の10客のみ、重硯を用い、席中で出香し、書記が記録を書いていくのだが、残りは10名ずつ区切って、言わば水屋からの点出のように出香される。なので採点も10名ずつ。
(ちょっと色づいてきた山)
今回は菊合香。
秋風と白菊という香を混ぜて聞いて、4回でる香をあてるもの。茶歌舞伎と同じ、というか、茶歌舞伎が香道をまねしているんだとおもうけれど(^_^;
秋風の 吹上にたてる 白菊は
花かあらぬかなみのよするか (古今集 道真)
で、4種のうち2種しかあたらないのも茶歌舞伎と同じ、連敗記録更新中の私である。
全部当てた方もおられて、さすがやな〜っと。
香名をあてるだけでなく、古今集、せいぜい新古今までの歌を雅にめでるのもお約束。香道の道具もチマチマして、そのくせりっぱな蒔絵まであって、すてきだな。
本堂に帰って本席へ参席。
お堂前の白砂の紋様は、、、、プリン型を連想したのは私だけだろうか?(^_^;
席主の太田さんがあれこれ席入りの面倒もみてはったので、是非1枚!とお声がけしたらこんな風にちょっとおどけてみえました(^∇^)
席もお人柄そのもの、すごいお道具の間にくすっと笑えるユーモアをまぜこんで。ここらへんは弘道館のお茶会でこちらも慣れている。
本床に細川三斎の白菊の文(森鴎外「興津弥五右衛門の遺書」はこの名香白菊にまつわる物語)が掛かったその横に、卵かけご飯(食サンだと思うけど、、、)があったり、お茶碗は「いろいろ百味のちゃわん」と銘うって、高麗のとなりに現代作家の漫画ちっくな茶碗が並んだり、一時が万事、この調子。
台子も透明樹脂製であったな。
高台院様のお寺だから、秀吉さんをしのんで、風炉先に天正15年10月(北野大茶会のあったとき)北野天満宮古材も。
一番笑ったのが、(もうクスッと笑うレベルでなくて)水次!
太田先生が「はい!みなさん水次がでましたよ、注目!」
ロバの形の水次で、口から水がでるのだろうな、、、、と思っていたら、、、!!
あにはからんや!ロバの鼻からジャバジャバと水が!
うわ〜やられた!一堂大爆笑。これはどうも本来は如雨露だったようだ。私的には今回これが一番のご馳走。
(吉野太夫ゆかりの遺香庵)
もうひとつの今回の金毛茶会の目玉が、重文の傘亭・時雨亭の傘亭内でのお白湯席である。
雨の中、急な階段をかなり登らないといけない。
けれど雨でいっそう美しい苔庭と色づきはじめた木々の葉をながめるのはなんと清々する気持ちだろう。
桜の木の色づきが一番早い。
傘亭には「茶くれん席」と書かれてあり、ここでもクスッと。(北野天満宮ちかくに「湯だく山(さん)茶くれん寺」っていうのがほんとうにある)
たしかにここではお茶はでませぬ。
見上げるその名の由来の傘の骨組みのような天井。
実はわたし、6年前の夏に一度この中でお茶をいただいたことがある。ちょうど東北大震災のチャリティーで、ここを公開しはったのだった。
お白湯をいただきながら傘亭の説明を拝聴。
伏見城の遺構で利休デザインとか言われるが、確証はないのだ。ただこの一段下がったところが船着き場になって、、、
このはね上げ戸を開けて中にはいり、お茶を楽しんだという。
ねねさんと秀吉さんの楽しい語らいを想像する場所でもある。
扁額の「安閑窟」は当時の先進国であった、朝鮮から来た人が書いた物だろうといわれている。
さて、最後に礼拝聴聞室「利生堂」にて呈茶。
この建物は今年はじめに落慶法要があったばかりの新しい建物。
壁のぐるりにに南北朝の涅槃図をデジタルで再現したという、、、まあ、当世の建物だな。
お呈茶をきびきびとこなしておられたのは、中村宗哲さん、諏訪蘇山さんのご姉妹。作品の展示も。
しかし、、、、このエアコンの擬態には萌えた!
たっぷり楽しめた茶会の余韻をひきずって高台寺の門をでれば、目の前に八坂の塔。
茶会も含めて、これぞ京都だなあ、、、、。
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