fc2ブログ
topimage

2023-12

金毛茶会〜高台寺 - 2017.10.22 Sun

今年の10月はすかっと晴れた日があまりなくて、しょぼしょぼ雨の日ばかり。
この日もお茶会だというのに朝からしとしと、しとしと、、、





DSC01597.jpg




場所は高台寺。
洛陽ライオンズ倶楽部の毎年一回の茶会である。

金毛=獅子=ライオンだもんね〜。
数年前から老松の、、というより弘道館の太田先生が担当されることになり、昨年は渉成園だったかな。昨年は行けなかったので、今年は是非に。




DSC01602.jpg




本席が混み合っていたので、まずは香席から。
志野流の組香である。

30人以上席入りしてどうやって聞香、組香をするのか疑問であったが、そこはプロですわ。最初の10客のみ、重硯を用い、席中で出香し、書記が記録を書いていくのだが、残りは10名ずつ区切って、言わば水屋からの点出のように出香される。なので採点も10名ずつ。




DSC01606.jpg
(ちょっと色づいてきた山)



今回は菊合香。
秋風と白菊という香を混ぜて聞いて、4回でる香をあてるもの。茶歌舞伎と同じ、というか、茶歌舞伎が香道をまねしているんだとおもうけれど(^_^;

 秋風の 吹上にたてる 白菊は

    花かあらぬかなみのよするか  (古今集 道真)


で、4種のうち2種しかあたらないのも茶歌舞伎と同じ、連敗記録更新中の私である。
全部当てた方もおられて、さすがやな〜っと。

香名をあてるだけでなく、古今集、せいぜい新古今までの歌を雅にめでるのもお約束。香道の道具もチマチマして、そのくせりっぱな蒔絵まであって、すてきだな。




DSC01607.jpg




本堂に帰って本席へ参席。
お堂前の白砂の紋様は、、、、プリン型を連想したのは私だけだろうか?(^_^;




DSC01609.jpg




席主の太田さんがあれこれ席入りの面倒もみてはったので、是非1枚!とお声がけしたらこんな風にちょっとおどけてみえました(^∇^)

席もお人柄そのもの、すごいお道具の間にくすっと笑えるユーモアをまぜこんで。ここらへんは弘道館のお茶会でこちらも慣れている。




IMG_9159.jpg




本床に細川三斎の白菊の文(森鴎外「興津弥五右衛門の遺書」はこの名香白菊にまつわる物語)が掛かったその横に、卵かけご飯(食サンだと思うけど、、、)があったり、お茶碗は「いろいろ百味のちゃわん」と銘うって、高麗のとなりに現代作家の漫画ちっくな茶碗が並んだり、一時が万事、この調子。

台子も透明樹脂製であったな。
高台院様のお寺だから、秀吉さんをしのんで、風炉先に天正15年10月(北野大茶会のあったとき)北野天満宮古材も。





DSC01610.jpg




一番笑ったのが、(もうクスッと笑うレベルでなくて)水次!

太田先生が「はい!みなさん水次がでましたよ、注目!」
ロバの形の水次で、口から水がでるのだろうな、、、、と思っていたら、、、!!

あにはからんや!ロバの鼻からジャバジャバと水が!
うわ〜やられた!一堂大爆笑。これはどうも本来は如雨露だったようだ。私的には今回これが一番のご馳走。




DSC01611.jpg
(吉野太夫ゆかりの遺香庵)



もうひとつの今回の金毛茶会の目玉が、重文の傘亭・時雨亭の傘亭内でのお白湯席である。




DSC01612.jpg




雨の中、急な階段をかなり登らないといけない。
けれど雨でいっそう美しい苔庭と色づきはじめた木々の葉をながめるのはなんと清々する気持ちだろう。




DSC01613.jpg



桜の木の色づきが一番早い。




DSC01615.jpg




傘亭には「茶くれん席」と書かれてあり、ここでもクスッと。(北野天満宮ちかくに「湯だく山(さん)茶くれん寺」っていうのがほんとうにある)
たしかにここではお茶はでませぬ。





DSC01618.jpg




見上げるその名の由来の傘の骨組みのような天井。

実はわたし、6年前の夏に一度この中でお茶をいただいたことがある。ちょうど東北大震災のチャリティーで、ここを公開しはったのだった。




DSC01619.jpg




お白湯をいただきながら傘亭の説明を拝聴。
伏見城の遺構で利休デザインとか言われるが、確証はないのだ。ただこの一段下がったところが船着き場になって、、、





DSC01622.jpg



このはね上げ戸を開けて中にはいり、お茶を楽しんだという。
ねねさんと秀吉さんの楽しい語らいを想像する場所でもある。




DSC01628.jpg




扁額の「安閑窟」は当時の先進国であった、朝鮮から来た人が書いた物だろうといわれている。


さて、最後に礼拝聴聞室「利生堂」にて呈茶。
この建物は今年はじめに落慶法要があったばかりの新しい建物。




DSC01631.jpg




壁のぐるりにに南北朝の涅槃図をデジタルで再現したという、、、まあ、当世の建物だな。

お呈茶をきびきびとこなしておられたのは、中村宗哲さん、諏訪蘇山さんのご姉妹。作品の展示も。



IMG_9163.jpg



しかし、、、、このエアコンの擬態には萌えた!



DSC01632.jpg




たっぷり楽しめた茶会の余韻をひきずって高台寺の門をでれば、目の前に八坂の塔。
茶会も含めて、これぞ京都だなあ、、、、。





関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/935-3b1a0cbc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

黄檗山萬福寺〜月見の煎茶会2017 «  | BLOG TOP |  » 信楽の古民家を手に入れた陶芸家〜ペンと古民家

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (394)
茶事(亭主) (84)
茶事(客) (176)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (109)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (32)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (144)
奈良散歩 (133)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (11)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (5)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR