国宝展・第II期〜京都国立博物館・龍光院天目など - 2017.10.29 Sun
なんと今年になってから、国宝の曜変天目を3つとも見てしまった。
藤田美術館のは近いこともあって、過去何回か見たことがある。
静嘉堂の稲葉曜変天目は、春の東博茶の湯展で間に合わなかったので、わざわざ静嘉堂まで追いかけて見た。
そして、いよいよめったに出されることのない龍光院天目にはじめてお目にかかる。

平日であったが、相変わらずの混み具合。
さすが!!今期のスターですな。
最前列で見るラインと後でもいいライン(あまり興味のない人用(^_^;)にわかれていたが、中には
「この行列何?」
「曜変天目です」
「よーへん???」
「お茶碗です」
「なんや茶碗か」
なんて会話も聞かれたりで、、、(^_^;
興味のない人にはおもしろくないわなあ。
中へ入るのに若干の行列。
まずは1Fの上記天目行列にGo!
確かに長い行列ではあったが、少しずつでも流れていたので、それほど苦になる長さではない。
静嘉堂のが華やかなビッグバンみたいな曜変なのに対して龍光院のは生まれたての星雲がまだガスに包まれて渦を巻いている、、、というそんな印象。特に底の方に宇宙の青ともいうべき光を宿していてもっとのぞき込みたかったが、チビなんで背伸びしても見えづらかったのが悲しい。もうちょっと低く展示してほしいわ。光の加減で微かにヒビかいくつも走っているのが残念であるが、それゆえに静嘉堂の完全ぶりがすごいと思う。しかし、日本人は完全より欠けたる侘びを好むので、龍光院の方が好きという人もいるだろう。藤田のはもすこし地味だが、コスミックブルーはやはり美しかった。
とりあえず3碗!みんな見たぞ!という満足感。
あとはゆっくり3Fからまた巡る。
II期だけの東大寺に伝わる「華厳五十五所絵巻」は善財童子が53箇所の善知識をたずねる様子(+文殊菩薩、普賢菩薩で55箇所)を描いたものだが、この善財君がかわいくて。現代の漫画と行っても通用するこの絵巻が平安時代に既に描かれていたなんて!
信貴山縁起絵巻はII期では尼公巻。一度は見た時に感心したが、大仏様の前で線描だけで描かれた尼公が時間と供に移動する様子を複数描くことであらわした技法は、漫画そのもの。
III期はいよいよ一番人気の剣の護法童子がでるぞ!
妙心寺の退蔵院にレプリカがかけられているところの「瓢鮎図」のオリジナルがここに。
狩野永徳の聚光院「花鳥図襖」は昨年ある期間だけ、聚光院に里帰りして公開してた物のうちの一枚と思われる。永徳に対抗していた長谷川派、等伯の息子、26才で夭折した久蔵の「桜図屏風」がならぶ。これは智積院で普段拝観できるので何度かみているが、胡粉をもりあげた桜の花が見事。次期には父等伯の久蔵を悼むがごとき松林図に再会できるはず。
今期限りの彦根屏風はいつみてもきれいで楽しい。当時のファッションのなんとすてきなこと。
墨蹟ではやはり空海と最澄のそろい踏みがすばらしい。空海の天才ぶりについてはいろいろなエピソードがあり、三筆の一人として知られる能書家でもあったが、書いては塗りつぶしたり、書き足したりしたメモ書きみたいなものもあって、その息づかいまで感じられる書が印象に残る。
ふたりが唐から持ち帰った教典や仏具の数々の請来目録を見ていると、当時の人の仏教への憧れや情熱を感じ取れて、1200年の時代を一気に越えたような気がする。
見終えた後、もう一度列に並んで龍光院天目を拝む。二度見がオススメよ。
さて、あわただしく2週間毎にIII期、IV期がくる。
目録を持ち帰りこれは初見、というやつをチェックして次回に備えるのであった。(気合いが違うでしょ?(^_^;、、、)
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