山荘流茶事〜@陶々舎 - 2017.10.31 Tue
宇治木幡の松殿山荘がついに国の重要文化財指定をうけた。こちらには何回かお邪魔して、その十いくつもある意匠のそれぞれ異なる茶室や大広間、広大な庭園に圧倒された。むしろ指定が遅いくらいだと思った。(各方面の方々の努力のたまもの)
その松殿山荘を作り上げた大正期の数寄者高谷宗範の玄孫であり、山荘流の師範Yさんの山荘流茶事に「お点前の研究」(茶道44流派の所作の比較検討という厖大なお仕事)筆者の廣田さんにおつれいただいたのは昨年の5月であった。
その時はお点前の所作の違いに感心したり、珍しがったりがメインであったが、最近ではけっこう多くの流派に触れてきたので、少々の所作の違いには驚かなくなった。
その後Yさんと紫野遠州流(?正確な流派名はご本人も不明)のお友達を茶事にお招きしたり、せんだっての月釜でお手伝いいただいたり、ありがたい交流があって、ふたたび山荘流の茶事へお招きいただく。しかも場所は紫野の陶々舎。

ああ、久しぶりだわ、陶々舎。この灯りをみるとほっとする。
オリジナルメンバー解散後、新たなメンバーとなったお若いMさんの仕切りでほぼ夜咄みたいな感じになった。
高谷宗範はもともと遠州流(宗家か小堀遠州流かは私にはわからないが)を習得し、のちに山荘流を立ち上げるわけだが、内容はほとんどかわらないとのこと。お弟子さん達が理解しやすいように教えやすいように、教授の順番を変えたかった、ということらしい。
柄杓のサイズもことなれば、柄杓の持ち方も千家流と違うし遠州流ともちょっと違う。茶筅の握り方も違うし、一番違うのは帛紗の扱い、茶巾の扱い。最近遠州流を見る機会も多かったので、それほど違和感がない。
Yさんの悠揚迫らざるお点前運びはとても年令相当にみえず(師範だけれど、とてもお若いのよ)、まわりがいれるチャチャにもあわてずさわがず静かに切り返す精神力は、さすが宗範の血統かしらと感心しきり。濃茶の間は迫力におされてだれも言葉を発することがなかった。
裏千家はいちばんよけいなものをそぎ落としたシンプルな点前ゆえ比較的早く進むのだが、他の流派でもそうだが山荘流のお点前も省略がなく、ゆっくり時間をかけてすすむものと心得た。
順序は変則で、炭・濃茶の後、いったんブレークして鍋懐石(?)。
Mさんの鍋奉行ぶりがてきぱきとすばらしい。
ここで主客入り交じってほとんど楽しい飲み会と化すが、、、
はい、獺祭のスパークリングを持参して、さらに宴会の拍車をかけたのは私です(^_^;
しかし!みなさん、さすが茶人、しばらくしてさっと茶会モードへ切替。
最後の薄茶までたどりついた。
4流派いりまじった客組であったので、点前の所作の違いをお互いの流派に照らしてあれこれ解説しあうのはとても楽しかった。それぞれにロジックがあって、自流を別の面から見直すこともできる。遠州系では茶巾は毎回千鳥にたたむので、貴人点てのときに千鳥に四苦八苦している身には是非、これは習得したいものだと思う。
最後にご亭主にMさんが一服点てたが、いろんな流派ミックスのお点前で締めて面白かったヽ(≧∀≦)ノ
楽しんで楽しんで、家にたどりついたら午前様であったが、実はその後も酒盛りが夜明け近くまでつづいた、、、らしい(^_^; みんな元気やなあ。
Yさん、Mさん、御連客のみなさま、ありがとうございました。
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● COMMENT ●
そらいろつばめ様
そうです、そうです。
あの日は一日中受付をやってくれはりました。
山荘流の若様を受付で使うなどと、おこられそうですね(^_^;
でもこころよく引き受けてくださり感謝してます。
陶々舎はD君残留、Mさんがお若いけれど活発に活動してくれてます。あと某家元のご次男とか、、、、(^_^;
あの日は一日中受付をやってくれはりました。
山荘流の若様を受付で使うなどと、おこられそうですね(^_^;
でもこころよく引き受けてくださり感謝してます。
陶々舎はD君残留、Mさんがお若いけれど活発に活動してくれてます。あと某家元のご次男とか、、、、(^_^;
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陶々舎もいよいよ再開ですか。楽しみです。