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2023-12

ふくべ炭斗を徐々にグレードアップ顛末 - 2017.11.16 Thu

うちの近所、もう市バス交通難民の時期が来た。
観光客がどっとおしよせる紅葉の名所をかかえるので、とにかく市バスに乗れない。





P1130380.jpg 




私は近場で紅葉を楽しむ。
先日の雨では、落ち葉を蹴散らす人がいないので、見事な地面に描かれた模様を楽しんだロームシアター前。(京都会館前、、、と言いたいけど)


さて、炉開きの茶事を2回終えたので、ちょっとしたmyふくべ炭斗の自慢をひとつ。


本来使い捨てのふくべ炭斗、その年にとれたウリ科の瓢から作る。しかし漆塗などをほどこせばその限りにあらず。

もともとお茶友さんが、2個もっているから、とくださったものであった。もちろん漆塗無し、そのまんまのふくべ、ちょっと乾燥してヒビも入っていた。
一回炉開きに使って、捨てるのもったいないし、どうしようかと。

そうだ、漆塗ならセミプロ(本職ではない)の父がいるではないか!




P1130386.jpg




御年90を越える父ではあるが、まだまだぴんぴんと元気。

しかしふくべはそのまますぐ漆を塗る、というわけにはいかず、中のデコボコをきれいにしたり、ひび割れを金継ぎしたり、いろいろ細工をして面倒をかけた。
漆塗が完成する過程を写真にとって送ってくるあたり父らしい。





IMG_4725.jpg




そして完成したのがこれ。
デコボコだったまんまのふくべの内側がなめらか。ひび割れも金継ぎが良い景色になっている。
父に感謝である。

そして、これをまた炉開きに使って、できたら、これに蒔絵がほしいな〜、、、と限りなくアップグレードする野望。さすがに蒔絵は父には無理。


そこで大覚寺茶会の折、櫂の香合をお願いした漆器蒔絵作家・岩渕祐二さんにふたたびお願いすることにした。
今回の炉開きにあわせて急いでくださったようだ。感謝。





P1130388.jpg 





好みはやはり青海波。(櫂香合にも青海波、まああれは水にちなむし)
それも全面でなく、上品に散らしてもらった。





P1130389.jpg




中でも金彩にせず、黒漆の青海波の部分がとっても素敵なのだ。




P1130390.jpg




父の金継ぎともよく合っている。




P1130387.jpg




かくして、完成したmyふくべ炭斗。
2回の炉開き茶事にお披露目。


岩渕さんが父の仕事を誉めていた、といったらプロに誉められたと、とても喜んでいた。
これはお宝になる。




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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

やはり、しぇるさんの芸術肌は、お父様譲りでございましたか

しかし、90歳で現役とは

立派な御父様でございますね^^


市バス難民、確かに^^;

私もその渦に巻き込まれながら、カメラを持って徘徊でございます><

高兄様

芸術肌かどうかはしりませんが(^_^;、父は職人肌ではあると思います。(職人じゃないけど、、、)

今日も銀閣寺〜東天王町、、市バス職員がバス停に出張して乗客をさばいていました。
でも、ほんまにバスこない、、、、来たと思ったら満員通過される日々、、、

しぇるさん、今晩は!お父様、素晴らしいですね!!金継ぎだけでも大変なのに中の凸凹を取り、素晴らしいです!!また青海波の巻き絵も素敵!大切なお宝ですね!!

みゅうぽっぽ様

ありがとうございます。
炉開きの頃しか使えませんがね、、、、(^_^;

お父様にお願いして箱書きまでしてもらったらいかがでしょうか。

ヌーチャン様

そんな、、、箱書きするような人物ではなくて、、、(^_^;
職人ですから、箱書きはしないのです、、たぶん、、、

立派な炭斗になりました!
わたしのは使い捨てですからね。

そらいろつばめ様

ありがとうございます。
使い捨てが本来、どんな炭斗か楽しみ〜♪


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