国宝展・第IV期〜京都国立博物館・最終週 主に絵巻物 - 2017.11.23 Thu
平日だったのに、、、
平日だったのに、、、、

行ったらまた七条通に行列があぶれる国宝展。
最終週だし某国営放送で特番やったしで、あまり興味のなかった層も「どんなもんかちょっくらのぞいてみるか」のノリで来ているにちがいない。
さんざん行列つくったあげく、たどりついたチケット売り場でこれだよ。
待っている間に文庫本半分よめちゃった。でも実質60分かかってなかったかも。
この国宝展も4回目となれば、どこになにがあるかだいたい予想がつくし、以前の期で見た物はよほど好きでない限りスルーしたので、要領よく見て回る。
今期一番見たいのはやはり1階の絵巻物シリーズ。
III期で感動した扇面法華経、前回は一番有名なほおづえをつく少女だったが、今期は初めて見る二面。髪の毛がようよう背丈ほどになった少女のうしろ姿が愛らしい。
平家納経、III期のはやや地味な法師編だったが、今回は必見の功徳編、もう、、、なんとみやびで美しい料紙であろうか。経文の上下に描かれた可憐な花々(朝顔、桔梗?がやけに目に付く)も、ふんだんに散らされた金銀の箔、巻頭の絵(平安王朝の人々が蓮池を眺めている?)、さすが時の権力者平家が作らせた物だけはある。巻末の署名が「平盛国」、清盛の側近だった人らしい。
一字蓮台法華経は経文の文字一つ一つが蓮台に乗っている。
一字一仏法華経序品では経文一字一字にお一人ずつ仏様の絵が添えられる。それぞれ違ったお顔だし、あっちむけこっちむけしているのが、なんかカワイイのだ。
曼殊院の黄不動、このたび御衣絹加持(画絹を清める儀式)の跡が見つかったことでニュースにもなったため、人だかり。
明治の元勲井上馨が所持し、のちに原三渓の手にわたったという平安時代の仏画・孔雀明王像、同じく孔雀明王を描いた中国北宋の仏画と比べると面白いかも。後者は孔雀もリアルだが、日本のはすでに紋様化されつつある。
光琳の燕子花の実物を(意識して)見たのははじめてじゃなかろうか。燕子花そのものもさることながら、以前野村美術館で聞いた、背景の金箔を正方形でなく、わざと不整形にしている、というのがよく見て取れた。
無準師範像(南宋)。彼に寺院再興のため板千枚を送った東福寺の円爾弁円(えんにべんねん)、その御礼の無準師範の「板渡しの墨蹟」も国宝。無準さんの話は茶席ではけっこうでるのよ。
今期、油滴天目、卯花墻、喜左右衛門井戸のまわりはすかすかで楽々眺めることができる。(客層がやっぱり違う、、、)
最後に書跡コーナー。
藤原行成の消息、反古紙の裏に斜めになったり大きくなったり小さくなったり書き散らしている仮名がまた美しくて。
藤原伊行の芦手絵和漢朗詠集、芦手とは意匠化した文字を絵の中に紛れさせるもの、これまた雅な平安貴族のお遊びであろうか。
これで4期すべて拝見終了!
で、表にでてみると、、、
待ち時間はさらにえぐいことになっておった(;゜0゜)
入場料1500円x4回、2回借りたイヤホンガイド1000円、図録3000円と、合計10000円つぎ込んじゃったな。でもつぎ込んだ時間の方が多いかもよ。
中にはすでによそで何回か見ている物も多かったが、まとめてみることに価値があったのか、自分でもなんでこんなに情熱を注いで見にいったのか不思議〜。でもこれですっかり京博知新館はお馴染みの居心地のいい場所になったような気がする。
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● COMMENT ●
こんにちは!京博、凄い事になってますね!東博の「運慶」でも50分待ちでしたが京博はさらに凄い!!でも並んだかいあったのでしょうね!!ご苦労様でした!
みゅうぽっぽ様
奈良博で快慶展いったので、運慶展も是非行きたかったんですけれどね〜。
今回は諸事情で断念。残念。
今回は諸事情で断念。残念。
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