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2024-02

正午茶事〜「楽の十碗十様」@東京淡交社 - 2018.02.22 Thu

今年初の東京
京都ではいろいろお世話になっている淡交社さんの東京教室に行くのははじめて。

雑誌「淡交」で、まず最初にここから読む、という読者の多い茶道心講の筆者・岡本浩一先生主催の茶事で、東京淡交社ビル内の茶室「慶交庵」にて開催。先生の大寄せ茶会は行ったことがあるが、茶事ははじめてなので期待してでかけた。




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(ビル内の茶室ながら蹲居もある)


寄付の軸が住友春翠、最晩年の「松無古今色」
これはご著書「茶道を深める」に入手されたエピソードが載っていたものだ。

待合は四畳半の小間で、よく参禅に行かれている品川東海寺の和尚様の達磨の絵、「不識」

今回の御趣向は「楽」。
迎付のあと、八畳の広間へ席入り。軸は今の御家元がお若い頃に書かれた一行物「明眼衲僧會不得」、出典は碧巌録とか。以前、この軸がかけられた席にお家元が来られた時のエピソードがおもしろかったのだが、ちょっと内緒。

ひさご棚にかけてある羽根が孔雀のあのきれいな部分でびっくり。炭手前ではお手製の竹の網籠の炭斗がでてきて、これもおどろく。茶人はここまでこわだるのだ。
車軸釜の濡肌も美しく、香合はイタリアアマルフィの焼物、「和洋の境をまぎらかす」のも先生のテーマであった。




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懐石は下鴨茶寮の東京支店の板さんが出張。
向付に赤楽、飴釉、、、の蛤、主に(私も作陶教室で楽茶碗をひねったところの)吉村楽入さんのものである。先生と楽入さんの交流はご著書にもくわしい。以前八王子のみささ園での茶会の主人公は楽入さんの宗入「亀毛」写し、軸はそれに添えた彼の消息を軸装したものであった。(「茶道に憧れる」に写真あり)

懐石も美味しく頂戴したが、強肴にイベリコ豚がでてきたのは一堂感激。茶事にお肉を使われるというのはこれも御本で存じ上げていたから。あと汁椀にもバルサミコ酢、五色人参のつけあわせなどなど、ご亭主の意向に沿うユニークなもの。
ガラスのちろりも中の氷をいれる部分を磁器製とし、特注してあとから京焼で焼かせたものというこだわり。強肴のユニークな織部っぽい器は本にも載っていたアメリカ人の乾山研究者の手になる物。

石杯の中に、敦煌でもとめたという夜光杯があり、一座のもっぱらの話題をさらう。玉でできた透き通る柄付グラスの形。「葡萄名酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催、、、」王翰の詩の世界が広がるよね。(これも読み返したら、本の中に写真があったわ)

千鳥の時のお酒がサイダー割のもの、10人のお客さんと千鳥をするには若干希釈しておく必要が、、、(^_^;、なるほど、これはよいアイデアかも。

主菓子はご自分で出かけられた先で美味しいと思ってとりよせたという、木曽のサルナシ羊羹。サルナシは日本のキーウイフルーツともよばれるらしく、甘酸っぱい味がとてもさわやか。初めていただいたし、言われるまで正体がわからなかった。




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後座

普通後座は床が花で軸は掛けないが、特別にかけてあるものを見れば、今年の大宗匠の年賀状(戌の絵入り)を軸装したものであった。先生の大宗匠に対する深い尊敬の念と交流は以前から存じ上げているので、これも納得である。

で、今回一番好きだったのが、竹の花入、川上不白のもの。全体に黒っぽく時代がついて、正面に園城寺ばりのひび割れ、これは金継ぎが施されていて、めちゃ渋いの。花は壇香梅と椿
浅くて入れにくい花入れを上手に使う方法などもご伝授いただく。

道具は時代のものより同時代を生きる作家の物を使いたい、とおっしゃる中で、これと濃茶の主茶碗・了入の黒楽はアクセントになる。この黒楽はのんこうの青山とちょっぴり印象が似通う。
次茶碗も若松の絵のついた(何代か忘れたが)赤楽で、惺斎の自動車判の箱がついていたのが印象的。

続き薄では次々でてくるいろんな楽茶碗、楽入さんの物が多かったが、これが出た時には出た〜!と思った。 ↓




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「茶道を深める」の表紙にもなった光悦の「不二山」写し。コピーではなく、意訳的な不二山、本物を手にとれるとは!光悦のは持ったことはないが、おそらくそれよりごつくて意識的なゆがみがある感じ。
あとは大樋や、鈍翁の茶碗(これも渋くて光悦っぽくてよかった)、裏千家の高名な業躰先生の手づくねとか。(私はごく末端の弟子なので、これらの先生方を残念ながら存じ上げない)

茶入が急遽差し替えたという虫明、茶道資料館の春の展示テーマが「むしあげ」なのにあわせられたそうな。私の知る虫明焼と印象がことなるが、底の土をみると虫明独特の黒い土であって、納得。




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御連客は先生ゆかりの方から、ご遠方からこられた茶道心講で先生のファンになった方まで。道具の作者のエピソードとか、手に入れた時のお話しなどユーモアを交えてお話しいただき和やかで、楽しい時をすごした。この上、小間で少人数、真剣勝負の先生の茶事を経験してみたいなあと思ったのは贅沢であろうか。




<おまけ>

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帰路につく乗換駅の御徒町、ウン十年ぶりにちょっと寄ってみたアメ横は、、、、



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日本ではない,アジアのどこか、、、になってたなあ、、、  (^_^;





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● COMMENT ●

お誘い下さいましてありがとうございました。
ご著書からは想像ができないような楽しい岡本先生の一面を見せて頂きました。経験豊かなご連客の皆さまとも和気藹々、和やかなお席でしたね。

私も一番好きだったのが、あの竹の花入れ。黒光りしていましたね。
それと鈍翁の光悦風の茶碗。あれ、ほしいなあ。

小間の茶席ならまた違う先生のお顔が見えるのでしょうか。興味あります。

そらいろつばめ様

こちらこそおつきあいいただき、心強うございました。
初対面の御連客様ともうちとけてお話しでき楽しかったですね。
あとから本を読み直したらけっこう茶事に同じ道具がでていて、いまさらながらご著書の世界をちょっぴり追体験していたのだなあ、、と。
それにしてもやっぱり不白の花入れ、よかったですね〜〜〜(^_-)-☆
同世代の作家さんの道具の中でよいフックになっていました。


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